2015年に東京電力ホールディングスと中部電力が折半出資して発足したJERA。「『再エネだけでない第3の道を』日の丸企業が導くアジアの進路」「アンモニアも水素も発電利用、現実解求め『第2のLNG』探す」「波乱の洋上風力プロジェクト 及び腰の出資者に見せたJERAの覚悟」で見てきたように、グローバル市場を積極的に取り込もうとしている。

 グローバル市場に攻勢をかけるためには、JERAは会社としてどうあるべきなのか。その問いが、JERAを東京電力と中部電力の流れをくみながらも、従来の電力会社のイメージとは対照的な新しい会社にした。海外人材を積極的に取り込み、経営判断のスピードは速い。欧州から来たある幹部はJERAを「俊敏性あるスタートアップ」と評する。

 「カモン、ナタリー。レッツ チェンジ ザ ワールド。(さあ、ナタリー。我々と一緒に世界を変えよう)」

 洋上風力事業の拡大を目指す日本最大の発電会社、JERAからの1年にわたるラブコール。約1年前の2020年末。先行市場の欧州で洋上風力開発に携わってきたベルギーの女性プロ経営者、ナタリー・オースターリンク氏の心を動かしたのは、JERAの可児行夫副社長がかけた言葉だった。就学児2人を連れ、中国よりさらに遠い日本に移住するには大きな決断が必要だった。

「ともに世界を変えよう」

 決め手となったのは高額報酬ではない。「ともに世界に変化をもたらそう、成長をもたらそうとの強い意気込みを感じたことがトリガーになった」(オースターリンク氏)。何もかもを手にしたプロ経営者の気持ちを揺さぶったのは、事業にかける本気度であり熱意だ。

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