日本最大の発電会社、JERAの脱炭素戦略を紹介するこの連載。前回の「アンモニアも水素も発電利用、現実解求め『第2のLNG』探す」では火力発電所の新燃料となるアンモニア、水素に関する戦略について紹介した。今回は、脱炭素戦略のもう1つの柱である再生可能エネルギーの拡大について紹介する。

 JERAが2019年10月から台湾で工事を進めているのが数千億円規模にのぼる洋上風力発電の巨大プロジェクトだ。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によるサプライチェーンの停滞は同プロジェクトにも打撃を与えた。コロナが長引くほどに共同出資する他の2社が及び腰となっていた一方で、JERAはある決断をする。

JERAが出資する台湾初の洋上風力事業「フォルモサ1」。2019年12月に稼働した
JERAが出資する台湾初の洋上風力事業「フォルモサ1」。2019年12月に稼働した

 台湾が威信をかけ、アジアで最も早く着手するのが洋上風力ビジネス。JERAはその第1弾となるプロジェクトに参画する。19年10月からは事業規模数千億円の「フォルモサ2」(出力37.6万キロワット)の工事が進む。JERAのほかに、オーストラリアの投資銀行、マッコーリーと地元の素材メーカー、スワンコールが参画する巨大プロジェクトだ。

コロナが巨大事業の工期を狂わせた

 世界のサプライチェーンを停滞させた新型コロナウイルスの感染拡大は、フォルモサ2の工期を狂わせた。洋上風力の部品は1基当たり1万~2万点に上る。その部品が1つでも欠ければ、工事に遅れが生じる。問題は、工期がずれた際に洋上風力工事用の専用船「SEP船」を使えなくなることだ。世界で隻数が不足するSEP船は2年以上前にチャーターの予約をしているため、容易に工事期間を変更できない。

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