シリーズ
脱炭素レボリューション

57回
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スコープ1~3に次ぐ「削減貢献量」 日本主導の脱炭素基準の現実味
企業の脱炭素化の取り組みを評価する新たな基準に、「削減貢献量」が組み込まれる可能性が高まってきた。自社に由来する二酸化炭素(CO2)排出量を示す「スコープ1~3」に対し、他社に省エネ製品やサービスの販売をした場合に削減で…
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再エネ、自治体の規制条例が増加 普及巡るジレンマに
太陽光発電など再生可能エネルギー事業を巡り、住民の不満を受けて規制条例を定める自治体が目立つ。周辺の土地所有者の同意を義務づけるなど地元の理解を得るよう求める。国も許認可手続きを厳しくする方向だ。将来の主力電源に位置づけ…
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東電、分散コンピューティングで計算請け負い 余る再エネ有効利用
東京電力ホールディングスはIT(情報技術)企業などから演算処理を請け負う新事業を始める。ネットワークにつながったコンピューターに共同で膨大な計算をさせる「分散コンピューティング」の技術を使う。余っている再生可能エネルギー…
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アップルが背を押す日本の脱炭素 取引先に毎年の進捗報告求める
米アップルがスマートフォンの部品メーカーなど取引先に、脱炭素化の取り組みを毎年報告するよう求める。同社は2030年の二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにするとしており、企業に再生可能エネルギーの利用を促している。難易度…
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COP27が開幕 ERMトップ「『実行』のメッセージが重要」
地球温暖化対策を話し合う第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)が11月6日、エジプトで開幕した。今年2月のウクライナ危機以降、資源大国ロシアからの依存脱却や燃料価格の高騰により、世界のエネルギー情勢は厳し…
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電力供給の新顔 パワーエックス、電気運搬船を2025年に運用
スタートアップのパワーエックス(東京・港)は、蓄電池を搭載して電気を海上輸送する「電気運搬船」を2025年に運用開始する予定だ。50年の脱炭素化に向けて洋上風力発電の強化を目指す日本。電気運搬船によって沖合から需要地まで…
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住宅の脱炭素、東京都が国に先行 太陽光パネルの設置義務化
東京都が2025年4月から、全国で初めて新築の戸建てへの太陽光パネルの設置を義務付ける。設置の必要性は国でも議論されていたが、複数の省にまたがる案件で、議論は停滞していた。自治体が先行する形で脱炭素化が進み、国の施策にも…
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脱炭素へ住宅にも省エネ義務 法改正で断熱の壁・ガラス必須に
ビルなど大型建築だけでなく、新築住宅にも省エネルギー基準を義務付けた改正建築物省エネ法が成立した。国内の建築物から出るCO2(二酸化炭素)排出量は国内全体の3割に上る。脱炭素の波は電力・製造分野などの企業に加え、住宅産業…
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洋上風力、入札第2ラウンド 三菱商事の圧勝でルール作り紛糾
日本の再生可能エネルギーの切り札とも言える、洋上風力発電プロジェクトの入札が揺れている。2021年12月に実施した第1弾の入札では、三菱商事を中心とした企業連合が圧倒的に安い価格で、秋田・千葉県沖の3海域を総取りした。予…
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G7声明に初の「アンモニア」 日本の石炭火力廃止、周知へ前進
5月27日に閉幕した主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境担当閣僚の共同声明で、日本が石炭火力発電所の脱炭素化に用いる「アンモニア」が初めて文言として入った。アンモニア混焼はG7で日本が唯一進める石炭火力のフェードアウ…
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21世紀の「油断」リスク ロシア産LNGから手を引けぬ現実
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、英エネルギー大手のBPやシェルなど資源メジャーがロシアのエネルギー事業からの撤退を決めた。対照的に手を引けないでいるのが日本やドイツだ。北海で原油や天然ガスを採掘できる英国と違い、特に…
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日本の電気料金3兆~5兆円増も ウクライナ危機でエネルギー高騰
ロシアによるウクライナ侵攻が燃料高騰に一段と拍車をかけている。落ち着く気配をみせない値上がりを背景に、専門家は2022年度の日本の電気料金の負担が前年度比3兆~5兆円増えると指摘する。ユーザーである産業界や家計にとっては…
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ウクライナ危機でエネルギーの脱ロシア依存は進むのか
米欧日が国際的な資金決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアの大手銀行などを排除することを決めた。天然ガスの4割をロシアに依存する欧州は慎重姿勢だったが、事態を重く見て強硬路線に転じた。ロシア依存の欧州のエ…
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ソニー、リコー、イオンがお手本 脱炭素時代、勝ち抜く経営の5条件
高い評価を受け、収益向上にもつながっている脱炭素経営には共通点がある。大転換に迷いを見せないトップの姿や、組織・制度改革の具体策などだ。ステークホルダー全員のベクトルを合わせるには、明確な道しるべが必要となる。
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知る人ぞ知る脱炭素キラ星企業 JFE、日鉄、アサヒ、デンソー
脱炭素経営ランキングで上位には入らなかったものの、一部の専門家が熱い思いで支持した企業がある。強い覚悟を持って脱炭素に果敢に挑戦する先進企業を、専門家のコメントを交えながら紹介しよう。
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三菱商事や戸田建設、インフラ開発「エネルギー多消費」を返上
エネルギー多消費型と思われてきた資源・インフラ開発が脱炭素にかじを切る。鉱山での再生可能エネルギー導入や洋上風力発電に注力する三菱商事は、エネルギー変革に向けて2兆円の巨額投資も決定した。さらに日本近海で洋上風力を増やす…
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「ESG役員、あえて廃止」食品の陰の実力者、不二製油の事件
食品業界を支える「縁の下の力持ち」としてB to Bでは有名な、不二製油グループ本社(以下、不二製油)。チョコレートをはじめ菓子や乾麺、化粧品にも使う植物性油脂の国内最大手で、自ら手がける業務用チョコは世界大手でもある。…
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えっ、炭素を減らせば「節税」可能? キリンが狙うESGの実利
食品業界の中で、いち早く気候変動リスクを開示してきたキリンホールディングス(HD)。地球温暖化によって、コストがどれだけ増大するかを試算してきた。環境対応の加速は一部投資家による短期的な利益追求のプレッシャーをかわし、長…
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会社丸ごとつくり変える日立、原動力は「変革か退場か」の危機感
脱炭素経営ランキング3位の日立製作所は、非常に高い脱炭素目標を掲げる。実現するには、痛みやストレスを伴う事業改革も必要になる。それでも手を緩めないのは、「変化し続けなければ、会社ごとなくなりかねない」という実体験があるか…
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花王、取引先・顧客巻き込み 汚れゼロ、カーボンゼロ
脱炭素経営ランキング、2位だったのが花王。原材料から生産、製品使用時、リサイクルまで温暖化ガス排出の状況をくまなく調査し、取引先やユーザーを巻き込んだ脱炭素戦略を展開している。
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
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ファクトフルネス思考
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
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グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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