独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は2022年11月、同年の中国での販売目標を385万台から前年並みの330万台に引き下げた。独紙ハンデルスブラットがVWの取締役で中国事業のトップであるラルフ・ブランドシュテッター氏の発言として伝えた。
中国の新車販売が22年に前年比2%増と見込まれる中、乗用車市場首位のVWの成長にブレーキがかかっている。筆者が、VWが中国で伸び悩んでいると考える根拠をいくつか紹介しよう。
(1)VWの主力セダン「ラヴィーダ」が18年から日産自動車の競合車種「シルフィ」に中国乗用車市場のトップの座を明け渡した上、22年1~11月には4位に転落
(2)中国におけるVWブランド車の販売台数は16年に299万台と、「トヨタ」ブランド車の2.5倍に達していたが、22年1~11月には191万台と乗用車のトップを維持しているものの、トヨタとの差は約29万台まで縮小
(3)中国の乗用車市場で長年、2トップを維持してきた合弁会社の一汽VW(中国の第一汽車集団との合弁)、上汽VW(中国の上海汽車集団との合弁)は、22年11月単月の販売台数で比亜迪(BYD)など現地勢に抜かれる

世界の自動車大手の中でいち早く中国に進出し、かつては圧倒的な市場シェアを誇っていたVWに何が起きているのか。筆者は3つの課題があるとみている。
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この記事はシリーズ「湯進の「中国自動車最前線」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
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