都市部ではEV特需続くが課題も

 中国におけるNEVを取り巻く環境をおさらいしておこう。まず、大都市におけるNEV優遇の影響だ。乗用車のナンバープレートの発給規制を実施している北京、上海、深圳、広州、天津、杭州の6都市は、NEVを規制の対象外としている。このため大都市におけるNEVの購入意欲は根強い。中国のNEV販売台数に占める6都市の割合は21年1~6月も33%と高い水準にある。

 ただし、NEVを敬遠する動きも出ている。理由の一つはEVの中古車価格の低下だ。中国汽車流通協会によれば、中国における車齢3年の中古車の平均残価率は、20年末時点でガソリン車が65%、EVが47%だった。車載電池の消耗が早いことや、中古車査定システムの不備などが影響している。中古車市場で評価が低くなりやすいことが消費者にEVの購入をためらわせる理由になっている。

 充電インフラ整備の課題もある。中国ではマイカーの急速な増加に対して駐車場建設が遅れており、8000万台分の駐車場が不足している。自宅に専用駐車場を持たない消費者が多く、家庭用の充電スタンドを設置するスペースの確保は難しい。21年6月末時点のNEV保有台数が603万台だったのに対し、充電スタンドの設置数は194万台にすぎない。

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この記事はシリーズ「湯進の「中国自動車最前線」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。