7月21日、中国南西部の四川省宜賓市で開催された「2022年世界電池大会(World EV & ES Battery Conference)」で、車載電池の世界大手、中国・寧徳時代新能源科技(CATL)の曽毓群董事長が講演した。

 宜賓市で大規模な電池工場の建設を進めているCATL。「世界の電気自動車(EV)の3台に1台が当社の電池を搭載しています」。曽氏は自動車の電動化シフトにおける自社の貢献度を強調しながら、全固体電池、コバルトフリー電池、リチウム空気電池などの開発を加速させる意向を示した。

2022年世界電池大会で講演した中国・寧徳時代新能源科技(CATL)の曽毓群董事長(上)とCATLの展示ブース
2022年世界電池大会で講演した中国・寧徳時代新能源科技(CATL)の曽毓群董事長(上)とCATLの展示ブース

 一方、中国の大手自動車メーカー、広州汽車の曽慶洪会長は「当社のEVのコストの4~6割を電池が占める。我々はCATLのために働いている」と不満を口にした。レアアース(希土類)や部材高で車載電池の価格が上昇しても、安全性・信頼性の高い電池への需要は依然旺盛だ。一方、自動車メーカー自身は電池の価格上昇をEV価格に転嫁するのは簡単ではない。

 韓国の調査会社SNEリサーチによると、22年1~6月の世界車載電池市場では、CATLが34%のシェアでトップを維持し、2位の韓国LGエナジーソリューション(14%)に大差をつけた。中国のBYD(12%)とパナソニックホールディングス(10%)がそれぞれ3位、4位となっている。

 世界的なEV市場の成長を見据えて、電池メーカーは生産能力を拡大する一方で、電池の品質向上にも取り組んでいる。「世界のEV試験場」といわれる中国でも、電池技術の開発競争で各社がしのぎを削っている。

 ここ数年、電池技術の進化及びコストダウンを主導しているのは米テスラだ。テスラのEV販売台数は21年に前の年比87%増の93万6000台を記録し、そのうち米国の販売台数が33%を占めた。

 パナソニックHDは23年度、テスラ向けの新型大容量円筒形リチウムイオン電池(LIB)「4680」の量産を和歌山県で始める。さらに22年7月、米カンザス州にも車載電池の新工場を建設すると発表した。投資額は40億ドル(約5450億円)。最大4000人を雇用する計画だ。ここでも「4680」を生産するとみられている。

テスラがドイツで公開した円筒形電池(前列中央から右へ「1865」「2170」「4680」)
テスラがドイツで公開した円筒形電池(前列中央から右へ「1865」「2170」「4680」)

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