日中の自動車メーカーやサプライヤー、電池や材料のメーカーとの幅広い接点を持つ湯進氏が、中国の自動車産業の今を読み解く本連載。第1回は、1組の夫婦に第3子まで出産を認める、いわゆる「三人っ子政策」が中国の自動車市場にもたらす影響を分析する。

 中国のファミリーにも浸透している6月の第3日曜日の「父の日」。2021年の父の日だった6月20日、トヨタ自動車はミニバン「シエナ」を2022年から広東省広州市で生産すると発表した。背景には、中国における所得の増加や「一人っ子政策」の緩和で、子どもを持つ家族に適したSUV(多目的スポーツ車)やMPV(多目的車)の需要が増加していることがある。

 中国政府は21年5月31日、1組の夫婦につき第3子まで出産を認める方針を示した。高齢化対策や人口構造の改善を図ろうとしている。

 中国の国家統計局によれば、中国の人口に占める65歳以上の割合は13.5%となった。国連が定義した「高齢社会」の基準値(14%)に迫る水準だ。また、今後5年間のうちに中国の新生児が年間1000万人を割り込み、27年に中国の人口が減少に転じると予測されている。

 今回の第3子容認のように、中国政府は国家戦略として人口政策を推進することで、経済の持続的成長を維持しようとしている。16年から開始した第2子政策が中国におけるSUVの販売拡大を後押ししたことを勘案すれば、第3子政策は中・大型SUVやMPVの販売拡大が期待される。日本メーカーの追い風になりそうだ。

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