日誌は「イメージトレーニング」と「予測と準備」のツール

 日誌は「その日を振り返って書く」ものだと考えている人が多いようですが、それは日誌の活用方法の50%に過ぎません。残りの50%は、「前の日に考えること」です。つまりメンタルスキルの「イメージトレーニング」と「予測と準備」のツールとしても日誌は効果を発揮します。

 明日を「理想の1日にする」「最高の試合にする」と決めて、前日の夜に翌日の行動を時間軸に沿って考えていく。「個々の行動は、最終的なゴールである自分の目的・目標とどうつながっているのか」「何が達成できれば、明日が理想の1日になるのか」――。翌日の流れを時間軸でイメージしながら、「必ずやること」を書き出していきます。

出典:『最高の教師がマンガで教える勝利のメンタル』61ページ
出典:『最高の教師がマンガで教える勝利のメンタル』61ページ
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毎日確実に成功に近づくための仕組み

 そして、1日の終わりに、実際の行動を振り返り、「これが良かった=〇」「これは改善しよう。他のやり方があった=×」を仕分けします。その仕分けから生まれた「気付き」を翌日に生かす。うまくいったときのパターン(プロセス)と、うまくいかなかったときのパターン(プロセス)に気付き、対策することによって、自分自身の心と身体をコントロールすることが可能になります。これが日誌の「毎日確実に成功に近づくための仕組み」です。

 その日を振り返るときには、うまくいかなかったことについて考え、反省することも大切です。しかし、マイナス面を思い出すだけでは、気持ちが前を向きません。

 ですから、「これが良かった=〇」について、深く考えてください。その日、自分で最もうまくいったと感じること、そのことについて常にプロセスを意識しつつ深く掘り下げて考えます。さらに「何が良かったのか」「うまくいった要因は何なのか」ということ以外に、「うまくいったときにはどんな気持ちだったのか」について考え、そのときの「感情」を文字で表現します。この感情を含めプロセスを振り返り、分析することで、「できたこと・良かったこと」が自分のものとなり、定着していきます。

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