ブームに乗れば、人が雇用できるわけではない

 では今、盛り上がりつつある動画やメタバースは定着するのだろうか。

 動画については、TikTokやInstagram、YouTubeを普段から使いこなす世代である。また、NetflixやHuluなどの動画コンテンツをよく見ていて、動画に接することは日常生活で当たり前になっている。動画は学生にとって親しみやすいメディアだろう。

 これまでも、動画は採用活動に親和性があるといわれてきた。動画は情報量が多く、文字や画像では伝わりにくい、雰囲気などが伝えやすい。加えて、時間や場所を問わず、気軽にスマートフォンなどで見ることができるからだ。

 動画には、閲覧用コンテンツとライブ配信の2種類がある。ライブ配信は、同じ時間を共有することで、双方向のコミュニケーションが成り立ち、学生から質問や興味、関心を引き出しやすくなる。目的に応じて閲覧用コンテンツ動画とライブ配信動画をうまく使い分けられれば、今後も利用価値は大きいだろう。

 TikTokなどのツールも、既に顧客とのコミュニケーションなどで活用実績がある企業であれば積極的に導入すべきだ。一方で、企業として初めて活用する場合は注意が必要だ。

 企業の「素顔」を情報開示しつつ、コンテンツ化してファンをつくるのは意外と難しいもの。ユニークな動画を制作して、エントリーを集めるのはいいが、実態と大きく乖離(かいり)していたら意味がない。かえって、学生に不信感を持たれることになるだろう。ましてや、さじ加減を間違えれば炎上につながる可能性もある。

 そこで動画初心者の企業は、職場の風景や働いている人の顔が見えるコンテンツなどをまずは作成。そこから認知を拡大し、新卒採用のルートへつなげるというような戦略を描くといいだろう。

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