地雷企業・優良企業の情報流通

 今はささいと思える面接官の質問が、企業のレッテルにつながり、人々の感情を逆なでし、ネット、特にSNS(交流サイト)での情報流通を引き起こすリスクがある。前述した人権侵害の質問と同レベルの危険性があると理解しよう。一度、発信し炎上してしまうと、その事実はデジタルタトゥー(入れ墨)としてネット上にいつまでも残り続ける。

 だが、採用活動のオンライン化は決して企業側にネガティブな影響だけをもたらすわけではない。ネットにおける企業の評判に関する情報の拡散性は、コロナ禍で高まるばかりだ。

 従来であれば、サークルや研究会の先輩後輩間で企業の情報交換がされていた。それが遠隔授業やサークル活動の休止などでつながりが希薄になったことで、以前に増してSNSの活用度が上がっている。

 SNSは対面での情報交換よりずっと簡単で、それだけスピーディーに、広範囲に情報が広がっていくが、裏を返すと、「NG質問」をはじめ利用法さえ注意すれば、この状況は特に中小企業にとってチャンスになる。

 感度の高い学生は、ツイッターに就職活動専用のアカウントを作っている。一度、ツイッター検索で「#23卒」などのタグをぜひ見てほしい。想定質問やZoomでの面接対策、エントリーシートの模範解答など、玉石混交ながらさまざまな情報があふれている。

 学生に話を聞くと、こういった情報から、世間ではあまり知られていない中小企業や、創業したばかりの企業を知ることも少なくないという。

 就活サイトを運営するワンキャリアが公開した「就活口コミアワード2021」を見ると、常連企業以外に、以下のような新顔もランクインしている。

  • ・日本ロレアル
  • ・NECネッツエスアイ
  • ・ミツカン
  • ・TOTO
  • ・マクロミル

 採用に関するポジティブな情報やインターンの良さなども、匿名の就活アカウントや掲示板で発信されることが多く、企業側もネットで拡散されることをむしろ利用して採用活動をするといい。企業規模や会社の歴史よりも、親しみやすさや独自性をアピールできれば、高い採用コストをかけずとも欲しい人材が獲得できる。

 23年卒の「オンラインツール慣れ」をしっかりと読み、学生目線のコンテンツをいち早く配信する。 従来飛び道具だった求人用動画を、今年から本格的に活用する企業は間違いなく増えるだろう。

次ページ SDGs文脈もしっかりと読む