「極言正論」で示した提言をたたき台にしてくれ

 さて、今回の極言暴論の主張は、記事冒頭にも書いた通り「自治体システム標準化プロジェクトは大失敗が必定だから絶対にやめるべきだ」である。ただし、これは少し言い過ぎでより正確には「自治体システム標準化プロジェクトが今のままで突き進もうとしているなら絶対にやめるべきだ」ということだ。もちろん、悔い改めるなら話は別。各自治体の業務のやり方をシステムに合わせる方向でプロジェクトを再構築するという方針転換である。ただそのためには、2025年度末という期限ではとてもじゃないが時間がなさ過ぎる。

 こんなふうに書くと「じゃあ、具体的にどうすればよいのか。批判してばかりしていないで解決策を出せよ」などと言い出す愚か者が必ず出てくる。少し話は脱線するが、こういう連中をなぜ愚か者と呼ぶかについて解説しておく。こうした愚かな発想や習性を改めない限り、プロジェクトを成功させることなどできないからな。で、まず大切なのは、問題点を指摘されて「批判ばかりするな」と感情的に反発しないことである。

 言っておくが、隠れた問題点を見つけ出して指摘するという行為は、極めて付加価値の高い知的作業だからな。まずはそれを認識せよ。「いやいや、おまえの言うことなど底が浅いんだよ。それぐらいのことは我々も既に認識している」と言うのなら真性の愚か者である。「スケジュールありきで、問題点を見ないように、深く考えないようにして突き進んで、プロジェクトを大炎上させる」。まさにそのパターンを地で行く人々である。

 そして「解決策を出せ」というのは、もう噴飯ものだ。それを考えるのはプロジェクト担当者など当事者の面々でしょう。もし自分たちで考えられないというのなら、大金を積んでコンサルタントでも雇うべきだろう。それを「ただで寄こせ」みたいなことを言うから大笑いなのだ。記者である私ができるのは、解決策の一例として参考になる成功事例を示すことである。この極言暴論では迷惑がかかるといけないから、めったにやらないが。

 という訳で、極言正論の記事のほうでは成功事例も示しておいた。引用すると次の通りだ。「SUBARUの国内営業改革では、まず近畿で各販社の間接部門の人員を大阪に集めたそうだ。すると、同じ販社なのに業務のやり方が全く違うことが明白となり、標準化すると大阪府の販社の1.2倍の人員で近畿全体の業務が回ることが分かった。販社向けのシステムはその成果を基に新たに開発するとのことだった」。

 で、極言正論では「全く同じことはできないにしても、自治体システム標準化でも参考になるかと思う。スケジュールありきで進める前に、一度立ち止まって自治体の担当者を一堂に集め、業務のムダを明らかにしたほうがよい」と提言しておいた。ただねぇ、「解決策を出せ」など言うような連中は、必ず次のように言い出すはずだ。「それは自動車メーカーだからできること。我々の参考にはならない」。結局のところ、こうした面々は解決策など考えようともせず、スケジュール通り突っ走ろうとするんだよね。

 もちろん「自治体の担当者を一堂に集め、業務のムダを明らかにする」というのは、現実問題としてはかなり難しい。自治体の担当者といっても、IT担当者だけなく利用部門の担当者が集まらないと意味がないからね。だから単なるたたき台と思ってもらわないと困る。大切なのは「業務のムダを明らかにする」ほうだ。各自治体の職員は互いに他の自治体の業務のやり方を知らないから、それぞれの業務にどんな不合理やムダが潜んでいるかも分からない。これをあぶり出してベストプラクティスを見つけて標準化することが重要なのだ。

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