シリーズ
木村岳史の極言暴論!

48回
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システム障害を恐れてサイバー攻撃で撃沈、愚かすぎるIT部門の言い訳とは
人はなぜかくも愚かなのだろうと思うことがある。システム障害発生時のドタバタ劇などはその典型だが、もっと愚かしいことがある。システム障害を起こさないためにセキュリティー対策を怠り、結局はサイバー攻撃の餌食になるといったケー…
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マイナポータルAPと連携できない悲惨、「利用者体験」が最悪な行政DXって何だよ
今回の「極言暴論」は私事から入ろう。私が所有するドローンを登録しようとした際のてんまつだ。これが最低のユーザーエクスペリエンス(利用者体験)、「お役所回り体験」になってしまったのだ。
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懲りない面々の無責任は今も続く、IT業界の多重下請けが安全保障上の問題になるワケ
IT業界の多重下請け構造について久しぶりに書こうと思う。「極言暴論」を書き始めた頃、この問題はメインテーマの1つだった。日本のIT業界がハイテク産業を偽装した労働集約型産業にすぎないことの証左であるし、そこは人月商売の理…
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DXに必要な人材はデジタル人材にあらず、そんな単純な理屈も分からない経営者の愚
DXを推進しようとする企業、そして最近ではデジタル庁をはじめとする行政機関までもが、デジタル人材の獲得に血道を上げている。だが、必要な人材について大きな勘違いがあるぞ。デジタル人材を何人雇ったところでDXなど不可能だから…
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世界に類がない人月商売のIT業界、それを「保有」する日本の不幸は本当にやばいぞ
世界に類を見ない人月商売のIT業界を「保有」する日本の不幸について考える。あまり外国と比較してどうこう言ってはこなかったが、最近、外国と比べてちょっと背筋が寒くなった。間違いなく日本は世界のデジタル革命から取り残されてし…
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人月商売のIT業界はブラックホール、落ちたら逃げられないのに説教して悪かった
今回は「人月商売のIT業界」をお題に、あまり出来のよくない謎掛けから始めることにしよう。人月商売のIT業界と掛けて、ブラックホールと解く。その心は、一度入り込むと二度と出てこられないでしょう。うーん、やはり下手くそだな。
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日本に独裁者は不要だが日本企業に「独裁」は必要だ、誰も責任を取らないDXの愚劣
日本企業には独裁を認める組織文化が希薄だから、意思決定が遅く、しかもその意思決定の内容はろくでもない。当然、全体最適など夢のまた夢だから、まともなシステムなどつくれない――。実は以前から私はそう思っていた。
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100億円のシステム開発を破綻させる抵抗勢力の正体、机を片付けない子供と同じだぞ
理想に燃えてDXに挑んでいる人たちと議論する機会が結構ある。その際に必ず出てくるのが社内の抵抗勢力の存在。抵抗勢力が改革を妨げていることに怒り嘆くのだが、「そりゃ、あなたの認識のほうがおかしいよ」と言ってあげたくなるケー…
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自治体DXは炎上必至か、「できません」とITベンダーも逃げ出すシステム刷新の悪夢
大規模自治体のIT関係者から次のような話を聞いた。「最近のITベンダーにはやる気が感じられない。既存ベンダー以外に提案を求めても『うちではできません』ばかり」。実は結構深刻な事態だ。新たな「2025年問題」の始まりの表れ…
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DX請負人のCIOが2年で逃げ出す、日本企業をむしばむ恐るべき「ムラ社会のおきて」
プロのCIOや優秀な技術者が企業を渡り歩き、転職先の企業でDXの推進役として旗を振る――。日本でもようやく転職が当たり前になり、私は率直に良い傾向だと思っていた。何せ最近の日本企業はアカン話ばかりだからな。ところが、それ…
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心理的安全性の欠如がIT部門をむしばんだ、経営の「無能」と恐怖政治の罪は重い
なぜ多くの企業でIT部門が劣化して素人集団と化したのか。実はこれまで、私は経営者の無理解による予算削減や人員リストラなどを理由として挙げていたが、それだけでは分析として全く不十分だった。かなり反省している。
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みずほ銀行システム障害の悪影響を鎮めよ、愚かな経営者につける薬はあるか
みずほ銀行の一連のシステム障害が世間にまき散らした悪影響を、そろそろ鎮めるべきときだと思っている。何せ、他の企業の経営者もビビってしまい、「絶対にシステム障害を起こすな」とアホな命令を下しているとの話を聞くようになったか…
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DXで業務プロセスの変革は「時代遅れ」、データ活用がダメすぎる日本企業の惨状
経営者が「早急にデータ分析をできるようにせよ」と命じた。で、IT部長が「何にお使いですか」と聞くと「逆に聞くが、何ができるのか」。返答に困ったIT部長は「まずは何をしたいかおっしゃっていただかないと」と言うと「だから、何…
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コンサルが嫌い過ぎて背信行為に走るSIer、自らが尊敬されない訳を考えたほうがよいぞ
人月商売のITベンダー、特にSIerの幹部や技術者には、コンサルタントが大嫌いという連中が大勢いる。「コンサルタントの話によれば……」などと聞こえただけで、途端に不機嫌になったり、いきなり侮蔑の表情を浮かべたりするから始…
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浅過ぎるベンダーロックインへの問題認識、公取委だけじゃなく行政DXでもだ
この「極言暴論」と対を成す私のコラムに「極言正論」がある。その極言正論の前回の記事で、公正取引委員会を思いっきり批判した。官公庁のベンダーロックイン問題に対する認識があまりに浅過ぎるからだ。この記事はその続編である。
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そんなDXはやめちまえ、「過去の悪夢」を繰り返す日本企業のあきれた実態
現在のDX(デジタルトランスフォーメーション)ブームがあまりに軽薄とはいえ、水をぶっかけて回るのはよそう。つい最近まで、そんなふうに考えていたのだが、ちょっと我慢も限界に達したな。そろそろ「DX中止勧告」を出すべきときの…
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「利用部門のわがまま」と書いたことは謝罪する、だが草の根DXは断じてダメだ
この「極言暴論」では、ユーザー企業の利用部門の人たちをいつも「悪者」に仕立て上げてきた。例えば利用部門の要求を「わがまま」とか「くだらない要求」などと書いてきた。記事を読んでいたら立腹していたはずなので、今回はその罪滅ぼ…
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ものづくり大国だった日本の不都合な真実、なぜ製造業のITはこんなにアカンのか
日本を代表する大手製造業では経営会議でIT戦略に関して議論したことがない。その事実を知って驚いた人がいたので「その企業に限った話ではなく、日本の製造業だと大手でもそんなのは当たり前だよ」と教えてあげたら、さらに驚いていた…
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富士通リストラは経営者の保身か改革か、「犠牲」を恐れてDXなどできないぞ
やはり変革っていうのは難しい。リーダーとしての覚悟が問われるよな――。何を当たり前のことを言っているのかと笑われそうだが、最近そんな感想を抱いた出来事があった。さて、日本のITベンダーの最大手、富士通の場合はいかがだろう…
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豊かになり損ねた日本、欧米より安い賃金で酷使される技術者に未来はあるか
日本は30年にわたって賃金水準が上がっていない。先進国の平均では33%も増えているので、日本のポンコツぶりが際立ってしまう。そして働く人が豊かになり損ねた日本の大問題の象徴と言えるのが、人月商売のIT業界である。
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