修羅場を乗り越えた勝者たち

 しかし、暗黒の株式市場にも勝者はいた。

 アメリカ株式市場の「冬の時代」とも呼べるこの時期に、株取引で成功を収めた者たちの足跡を振り返ると、大きく分けて2つのパターンがある。

 第1に、暴落のタイミングを的確に見極めて売り逃げた「予知型」。

 第2に、暴落で痛い目に遭ったものの、その教訓を活かして投資手法を進化させた人々。こちらは「イノベーター型」とでも、呼べるだろう。

 次回から、それぞれのタイプの具体例を紹介したい。

【参考文献】
◎『岩波講座 世界歴史27 ─ 世界恐慌期』(岩波書店/1971年刊)
◎『金融の世界史 ─ バブルと戦争と株式市場』板谷敏彦著(新潮選書/2013年刊)
◎『学校で教えない大恐慌・ニューディール』ロバート・P・マーフィー著/マーク・J・シェフナー、冨田新、山口修、梶本元信訳(大学教育出版/2015年刊)
◎『世界大恐慌 ─ 1929年に何がおこったか』秋元英一著(講談社学術文庫/2009年刊)
◎『大恐慌に学べ』山田伸二著(東京出版/1996年刊)
◎『世界恐慌 ─ 経済を破綻させた4人の中央銀行総裁』(上下巻)ライアカット・アハメド著/吉田利子訳(筑摩書房/2013年刊)
◎『大恐慌のアメリカ』 林敏彦著(岩波新書/1988年刊)
◎『ウォール街の崩壊─ドキュメント世界恐慌・1929年』(上下巻) G・トマス、M・モーガン=ウィッツ著/常盤新平訳(講談社学術文庫/1998年刊)

危機はチャンスも連れてくる。
今こそ学びたい「教養としてのマネー史」
株価暴落に備えはあるか!?

1929年10月、NY株式市場でダウ平均が暴落し、「世界大恐慌」が始まった。アメリカ経済は「失われた25年」に突入する。

しかし、「失われた25年」に苦しんだアメリカにも、がっちり稼いだ投資家、事業家はいた。

株価暴落を予知して大儲けした猛者がいれば、大損を教訓に投資手法を進化させたイノベーターもいた。デフレ経済を追い風に事業を拡大させた勇者もいれば、時代の大きな流れをとらえたビジネスモデルで、不況をものともしなかった賢者がいた。

彼ら11人の本質的な勝因とは、何だったのか?

[主な内容]

【序章】データでたどる大恐慌の真実
第1章【投資編】相場師たちの撤退戦とバリュー投資の誕生
ジョセフ・P・ケネディ/バーナード・M・バルーク/ジェシー・L・リバモア/ベンジャミン・グレアム/ジョン・M・テンプルトン/ウィリアム・ギャン
第2章【事業編】恐怖とキャッシュを コントロールせよ
コンラッド・N・ヒルトン/ジャン・P・ゲティ/デビッド・O・セルズニックとウォルト・ディズニー/]ロバート・E・ウッド/大恐慌が生んだヒット商品
第3章【政治編】ケインズ政策の誕生と副作用
高橋是清/アドルフ・ヒトラ/フランクリン・D・ルーズベルト

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この記事はシリーズ「マネーの教養「世界大恐慌の真実」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。