―― そうは言っても、傷つく言葉を突きつけられると傷つきませんか?
ryuchell テレビに出始めた頃、今よりもっとたくさん、傷つくことを言われました。おかげで、中学の頃は「ガラス製」だったハートが、いまや「プラスチック製」どころか、もはや「ゴム製」。ちょっとやそっとでは、傷つかないです(笑)。
ぺこりんとの関係も、「ビジネスカップル」とか「ビジネス婚」とか言われて。でも、それは事実ではなかったので傷つきませんでした。最初は「は?」って思いましたけど、「僕たちお似合いすぎるからこう言われるんだろうね」ってポジティブに割り切っていました。
「嫌なことを言う人はいなくならない」と割り切る
ryuchell でも、本当に傷ついてしまうことは、あっても仕方ないと思うんです。だって、僕のことを傷つけたり嫌ったりする人って、死ぬまでいなくならないと思うから。賛成できない意見を持っている人も、「嫌いだな」とか「あまり好きじゃないな」と感じる人もずっと居続ける。だから、もう割り切るしかない。あっちを向いている人に無理やり、こっちを向かせようとする必要もないし。自分に素直でいればいいんじゃないかな、って思います。
例えば、僕が誰かにめちゃくちゃ傷つくことを言われたとします。そのときはスルーしたとして、後になって涙が出るほど悔しいことにも気づいたとします。でも「あのとき私がぶち切れていたら、私が損をしていたかもしれない」と考えることだってできる。「こう言い返してやればよかった」と思っても、何も言い返さなかったことが正解だったという場合もある。もし言い返していたら気まずい空気が流れて、相手が仕事仲間であれば、もうそれ以後、仕事をもらえなくなったりするかもしれない。「自分が我慢したことで全部うまくいったんだ。だからすべて良い経験として糧にしよう」ぐらいの考え方でいればいいんじゃないかなと思います。
自分と反対の意見を持つ人でも遮断しない
―― 駄言を言われて胸を痛めている人が、今の目の前にいたら、何と言ってアドバイスしますか?
ryuchell 『#駄言辞典』を読んで、「自分は結構、言葉に敏感で、新しい価値観も理解しているタイプだと思っていたのに、(自分って)意外と固定観念を持っていたんだ」と学ぶ人もいると思うんです。でも、この本に出合えていない、古い時代を生きてきた人に今の価値観を強要するのも、見方を変えれば、(駄言を言うのと)同じことだな、とも思います。
僕も「パパのくせにメイクなんてするな」って言われたり、「子どもができた」と言ったら「金髪やめなきゃね」と言われたりしたことがあります。この世の中、本当にいろんな人がいるんですよ。それにいちいちむかついていたら大変。僕がもちません。
だからといって、僕は自分と反対の意見を持つ人を遮断して生きていくのは嫌いなんです。SNSでも、誰もブロックしません。人前に出る仕事をしているのにSNSで誰かをブロックしている人を見ると、「人気商売なのにもったいないな」って思います。僕は傷つくことを言われても「あー、でも、そういう考えもありますもんね」と言って流します。
例えば、ママ友やパパ友の間でもいろんなことがあります。「私たちの家ではこのごはんをあげていないんだよね」「えー、うちはあげてるよ」「そういうのは、あげないほうがいいんじゃない?」とか。こういうやり取りがSNS上だけじゃなくて、日常にあふれているから、自分が気になる発言に対して、一つずつ反応している暇はないです。
「この人と付き合うのはちょっときついな」と思う相手がいたとしても、その人との関係を完全に切るのではなくて、上手にフェードアウトしています。SNSではつながっているけれど、お茶するのを半年に1回ぐらいに減らすとか。僕が嫌っていることを気づかれないようにSNSで「いいね」は押す、とかしています。そんなふうに、「自分にしっくりくるやり方を見つけられるといいね」という気がします。
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