『こんな世の中で生きていくしかないなら』(朝日新聞出版)を10月に出版したryuchell(りゅうちぇる)さん(*)。新著の中では「諦める、割り切る、逃げる、戦わない、期待しない」という5つの武器を身に付けながら生きてきた歩みを、赤裸々に語っています。(上)では新著についてお話を伺いました。
*10月1日からryuchellに芸名を変更

【ryuchellさんインタビュー】
(上)りゅうちぇる 男の子がバービーで遊んだっていいよね  ←今回はココ
(下)りゅうちぇる 駄言を言われたら、相手の背景を想像する

「男の子がバービー人形で遊ぶのは、人と違うんだ」

日経xwoman編集部(以後、――) 日本社会には、「女らしい」「男らしい」という固定観念がまだ根強くあります。ryuchellさんの新著には幼少期にバービー人形で遊ぶことが大好きなことを友達にからかわれて悲しんだエピソードがありました。

ryuchellさん(以後、ryuchell) 小学校に入る前から、幼なじみや地元の子どもたちと公民館で集まることも多くて、僕はそこでもバービー人形で遊んでいたんです。5人きょうだいで姉が3人いたので、周りに姉のおもちゃがたくさんあったし、小さいときから(女性歌手グループの)スパイス・ガールズが大好きで、スパイス・ガールズとコラボしたバービー人形も買ってもらっていました。母は女の子用のおもちゃも構わず買ってくれたし、姉たちも自由に使わせてくれたので、家では自由に遊んでいました。

 でも、外で僕がバービー人形で遊んでいるのを見て違和感を持った子たちから「それ、おかしくない?」「バービー人形が好きなら、男の子が好きなんでしょう?」って言われて。みんな何か、自分が知っている枠にはめたがるんですよね。

 今は僕も大人になって、世の中にはいろいろな生き方があると思うし、「多様性が大事」という考え方も出てきていますが、当時の僕はまだ幼くて返す言葉もなく、「自分がおかしいんだ」「男の子なのにバービー人形と遊ぶというのは、人と違うんだ」と傷ついていた時代がありました。そんなことが中学を卒業するまで続きましたね。

「人から言われた言葉で傷ついていた時代がありました」と語るryuchellさん
「人から言われた言葉で傷ついていた時代がありました」と語るryuchellさん
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