2021年6月10日発売の『早く絶版になってほしい #駄言辞典』(日経BP)。ジェンダーにまつわるステレオタイプから生まれる400を超える「駄言」を、エピソードとともに紹介している本書を、東レ経営研究所 ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部 チーフコンサルタントの塚越学さんはどう読んだのでしょうか。

駄言は、現実と意識の間にギャップがあるときに生まれる

 ある人が、自分の思っていることと目の前の現実の間に何らかのギャップを感じ、違和感を持ったときに、問題のある発言を言ってしまう。それが駄言になり得る。言った当人には悪気がないことのほうが多いのでしょう。

 前回の記事「塚越学『駄言が生まれる理由は不勉強』という言葉に納得」では、駄言を言われて嫌だと思ったら「嫌だ」という意思表示をすることが大事だと述べました。しかし、「嫌だ」と意思表示することが大事な場面と、あえて意思表示をしなくてもよい場面もあると思っています。

 例えば、私が夕方にスーパーで買い出しをしたり、学童保育に三男を迎えに行って帰ってきたりすると、近所のおばあちゃんから声を掛けられます。「お父さんが買い物するなんて偉いわね」「お迎えスゴイわね」って。朝、私がゴミを出すときも同様です。私は当たり前のことをしているだけなので違和感があるのですが、別にここで「それは違いますよ」と、おばあちゃんの価値観をアップデートする必要はないと感じています。でも、これが会社で上司や先輩に言われた場面だったら、しっかりと指摘して相手に考え方のアップデートを促します。相手が「知らないでは済まされない」立場の人たちであり、周囲に与える影響が大きい人たちだと思うからです。

 さて、『#駄言辞典』の中では以下のような駄言が紹介されていました。

「えっ男なのに育休取るの?」
『#駄言辞典』112ページより

「育休明けに居場所なくなってないといいね」

長めの育休を取る前日に言われた一言。いまだに強烈に覚えている。言った人のことは一生忘れない(怒)。
『#駄言辞典』182ページより
「会社の上司や先輩に駄言を言われたら、しっかりと指摘して相手に考え方のアップデートを促します」と塚越さんは言う(画像はイメージです)
「会社の上司や先輩に駄言を言われたら、しっかりと指摘して相手に考え方のアップデートを促します」と塚越さんは言う(画像はイメージです)
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【書籍情報】
ジェンダーにまつわる
アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)による
1200もの「駄言」が教えてくれたものとは?


早く絶版になってほしい
『#駄言辞典』

編集:日経xwoman
発行:日経BP
定価:1540円(10%税込)
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【目次】
・駄言とは?
・まえがき
・第1章…実際にあった「駄言」リスト
 女性らしさ/キャリア・仕事能力
 生活能力・家事/子育て
 恋愛・結婚/男性らしさ
・第2章…なぜ「駄言」が生まれるか
 スプツニ子!/出口治明/及川美紀
 杉山文野/野田聖子/青野慶久
・第3章…「駄言」にどう立ち向かえばいいのか
・あとがき

続きを読む 2/3 法律改正はアップデートの機会

この記事はシリーズ「職場で、家庭で聞いた。言われた。心をくじく駄言」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。