2021年6月10日発売の『早く絶版になってほしい #駄言辞典』(日経BP)。ジェンダーにまつわるステレオタイプから生まれる400を超える「駄言」を、エピソードとともに掲載している本書から、駄言の実例とその駄言を生んでいる背景の分析を紹介します。第8回は「キャリア・仕事能力」に関する駄言と要因「その4」です。

「交渉ごとは女性には難しいからさ」

「女性は○○が苦手」「男性は○○が不得意」……。こんなふうに、ざっくり性別で分けて傾向を話してしまいそうになったとき、「それは本当のこと?」「裏付けるデータは?」と自分に問いかけよう
「女性は○○が苦手」「男性は○○が不得意」……。こんなふうに、ざっくり性別で分けて傾向を話してしまいそうになったとき、「それは本当のこと?」「裏付けるデータは?」と自分に問いかけよう
[画像のクリックで拡大表示]

 約20年前、とある日系の大企業における会議で「ここから先は女性社員は退席してください。男性社員のみで議論します」と言われたことにショックを受け、早々に退社を決めた女性の新入社員がいました。その後、彼女が中途入社した会社は今や誰もが知るITベンチャー企業。彼女は社内で新規事業を立ち上げるなど精力的に働き、あっという間に業界内の有名人に。さらなるキャリアアップをし続け、今では企業の役員を務めるまでになっています。

 20年経った今でも「性別による仕事内容の決めつけ」を残している企業はなくなっていません

 例えば、「営業マン」という呼び名も象徴的です。営業担当者の総称として今も使われていますが、「マン」の意味は「男性」。営業など、会社の花形部署で活躍するとされる、稼ぎ頭の仕事は男性が中心的に担い、女性はバックヤードの仕事を担う――、そうした職場はまだあります。

 業界による偏りもあります。自動車や鉄鋼業といった会社には男性社員が多く、化粧品や生命保険などの会社には女性社員が多い――。そんな性別による仕事の区分けはもうやめにして、個々人の適性や希望に合った仕事ができる社会になりますように。


【書籍情報】
ジェンダーにまつわる
アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)による
1200もの「駄言」が教えてくれたものとは?


早く絶版になってほしい
『#駄言辞典』

編集:日経xwoman
発行:日経BP
定価:1540円(10%税込)
 Amazonで購入する

【目次】
・駄言とは?
・まえがき
・第1章…実際にあった「駄言」リスト
 女性らしさ/キャリア・仕事能力
 生活能力・家事/子育て
 恋愛・結婚/男性らしさ
・第2章…なぜ「駄言」が生まれるか
 スプツニ子!/出口治明/及川美紀
 杉山文野/野田聖子/青野慶久
・第3章…「駄言」にどう立ち向かえばいいのか
・あとがき

続きを読む 2/3 「女性の中では評価が高いよ」

この記事はシリーズ「職場で、家庭で聞いた。言われた。心をくじく駄言」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。