連結売上高の約半分を稼ぎ、ソニーグループの大黒柱となったエンタメ事業。ゲームに負けじと急成長するのが音楽事業だ。2021年3月期の売上高は前の期比1割増の9399億円に達し、20%の営業利益率を達成した。「YOASOBI」に「LiSA」「米津玄師」など音楽シーンに続々とスターを送り込むソニーの戦略をひもとく。(文中敬称略)

(参考記事:「鬼滅の刃」興行収入の100倍、年4兆円稼ぐソニーのエンタメ

黄色がソニー所属のアーティスト
黄色がソニー所属のアーティスト
[画像のクリックで拡大表示]

 「今はソニーの時代ですよね」。レコード会社を取材していると、そんな声がよく聞こえてくる。競合も認めるソニーの強さはヒットチャートに表れている。1位の「YOASOBI」に「King Gnu」「LiSA」と「NiziU」……。ビルボード・ジャパンの総合チャート「Hot100」の2020年の年間ランキングを見ると、上位20曲のうち9曲をソニー所属のアーティストの楽曲が占めている。

 新型コロナウイルス禍で大規模イベントの自粛が求められ、音楽業界は大打撃を受けている。収益源だったライブ市場が縮小。国内3強の一角だったエイベックスは21年3月期に62億円の営業赤字を計上し、17年に竣工したばかりの東京・南青山の本社ビル売却を迫られた。

 逆風下でなぜ、ソニーは好調を維持するのか。理由は大きく2つある。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1539文字 / 全文2101文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「あなたの知らないソニー」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。