経済には物語がある。世の中を変える画期的なサービス、暮らしをちょっぴり豊かにする商品、これまでにない斬新な施設や店づくり――。新しいトレンドを生もうと奮闘する人々の思いを丹念に拾い上げ、物語として描く。目指せ「トレたま」(のような定番コーナー)と夢は大きく、1本1本、時間をかけて熱く、深く、面白くつづります。(写真:PIXTA)
Focus 20
酒井大輔のトレンドストーリー

26回
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「CO2を食べる」自販機 アサヒ飲料「都会に森を」逆転の発想
二酸化炭素(CO2)を「食べる」自販機が登場する。自販機内に吸収材を搭載し、大気中のCO2のみを取り込む仕組みで、アサヒ飲料が2023年6月から展開を始める。目指すは「都会の中に森をつくる」ことだという。
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大学院起業から9年「つながる車」で上場したスマートドライブ
車が今、どこを走っているのか。移動データを可視化し、ドライバーの運転の癖をも見抜く。車両管理の世界に革新をもたらしたのが、2022年12月に上場したスマートドライブだ。創業から数年間は、売り上げが全く立たない状況だったと…
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ブラックサンダーとシロノワールが「合体」 有楽製菓の拡散力
チョコ菓子の「ブラックサンダー」と、コメダ珈琲店の看板メニュー「シロノワール」が合体した。その名も「シロノワール ブラックサンダー」だ。ブラックサンダーのザクザク食感を再現したという新商品は発売以降、SNS(交流サイト)…
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森岡毅氏率いる精鋭集団「刀」が高血圧診療に挑む 女性マーケターが社内起業
日本で約4300万人が患っているとされる高血圧症。未治療、治療未継続者が多いという社会課題に、マーケティング精鋭集団「刀」(大阪市)が切り込んだ。オンラインで診療が受けられる新サービスを開発したのは、楽天グループ出身の女…
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1樽、26億円のウイスキー 「アードベッグ」が超富裕層を魅了
半世紀近く前、英北部スコットランドのアイラ島で樽(たる)詰めされたウイスキー「アードベッグ」が、1600万ポンド(約26億円)で売却された。歴史的なウイスキーではあるが、なぜこれほど桁外れな高値で取引されるのか。その背景…
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コオロギ追ってカンボジアへ、“魔法の粉”を量産する「エコロギー」
カンボジアで食用コオロギの量産化に成功した企業がある。早稲田大学発スタートアップのエコロギー(東京・新宿)だ。栄養価が高く、どんな食品にも化ける“魔法の粉”が、世界の食卓を変えるかもしれない。
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ピルを生活改善薬に、前澤ファンドが出資した「メデリ」の思い
オンライン診療で低用量ピルを定期配送するサービスが広がりを見せている。運営するmederi(メデリ、東京・目黒)には、衣料品通販大手ZOZOの創業者で、実業家の前澤友作氏率いる「前澤ファンド」が出資。伝えたいのは、避妊薬…
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Z世代に人気の「疲れないSNS」 スナップチャットは根付くか
既読スルーは当たり前。ありのままの自分を気楽に発信できるとして、欧米のZ世代に絶大な人気を誇る「スナップチャット」が日本で初めてオフィスを構えた。何を仕掛けていくのか。
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ウクライナ人へレシピ届け クックパッド「料理でつなぐ」支援の形
クックパッドが、ウクライナへの人道支援としてレシピ募集プロジェクトを始めた。ロシア軍によるウクライナ侵攻を受け、料理を通じた支援を呼びかけている。プロジェクトに込めた思いに迫った。
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世界初「生」のカラフトシシャモ販売 イオンが空輸を選んだわけ
「子持ちシシャモ」として知られるカラフトシシャモが、生のまま日本に届いた。イオンリテールがアイスランドから一度も冷凍せずに運び込むことに成功。なぜ空輸に挑んだのか。
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3秒で字が消える、コクヨが挑む「キャンパスノート」の未来形
キャンパスノートで知られるコクヨが、スマートフォン向けの勉強アプリを開発した。撮影するだけで手書きのノートを保存し、編集もできる。キャンパスノートの可能性が、大きく広がった。
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AIで契約リスク見える化、「リーガルフォース」企業価値5倍に
契約書に潜む「見えないリスク」を、AI(人工知能)が瞬時に洗い出して可視化する。現役の弁護士が作り上げたサービス「リーガルフォース」が急成長している。企業価値は1年で5倍超に躍進した。
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「レジなし」「後払いOK」でサラダ売る、クリスプが大胆新業態
冷蔵庫からサラダを取り出すだけ。支払いは食べた後にスマホから、という大胆な店舗が2021年11月1日、東京の丸ビルにオープンした。ただ食いされるリスクもある仕組みで出店に踏み切った理由とは。
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イオンが100均キャンドゥを傘下に、出店済みダイソーどうなる
イオンが、100円ショップ大手のキャンドゥをTOB(株式公開買い付け)でグループに迎える。なぜ、キャンドゥに着目したのか。背景を探ると、どの売り場にでもはまる100円ショップの万能ぶりが見えてきた。
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デジタルアートで「飛び出す図鑑」 銀座で感じる地球の息吹
東京都心の銀座に、図鑑の世界に飛び込める新感覚のミュージアムが誕生した。商業施設のワンフロアに、地球の自然環境をぎゅっと凝縮。デジタルアートで再現された珍しい生き物を、間近で観察できる。どんな思いを、詰め込んだのか。
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Z世代から「エモい」 昭和で“若返った”西武園ゆうえんちの戦術
西武園ゆうえんち(埼玉県所沢市)が生まれ変わった。1960年代の日本を再現した商店街に、昭和の大怪獣「ゴジラ」のライドアトラクション。夢中になっているのは、10代、20代のZ世代たちだ。「エモい」。客層が大きく若返った背…
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イオン1万店で「値上げしません」 年内価格凍結の意味
流通大手のイオンが「年内価格凍結」を宣言した。プライベートブランド(PB)「トップバリュ」の食料品の大半を対象に、全国約1万店舗で展開する。押し寄せる原材料高騰の波を、どう乗り切るのか。
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三重「VISON」、人口減6町で挑む「スーパーシティ構想」
日本最大級の商業リゾート「VISON(ヴィソン)」。実は、ただのリゾート地ではない。周辺6町を巻き込んだ「スーパーシティ」という未来の街づくりの舞台になる。その中身とは。
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コンビニも自販機もない 反常識商業リゾート「VISON」の挑戦
東京ドーム24個分。とてつもなく広大な敷地に、全く新しい商業リゾートが立ち上がった。「VISON(ヴィソン)」である。コンビニエンスストアも自動販売機もないその中身は、画一化が進む商業施設のあり方に一石を投じそうだ。
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鬼滅、トレカ、ホロライブ、世界のオタク化加速する「越境EC」
長引くコロナ禍で世界の往来が閉ざされる中、日本のエンタメ関連商品やニッチ商品が海外で飛ぶように売れている。鬼滅の刃、ホロライブ、シティポップ、トレーディングカード…。原動力になっているのは「越境EC」というサービスだ。
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小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
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クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
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この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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