オンラインで高血圧診療が受けられるサービスを開発した、イーメディカルジャパン副社長COO(最高執行責任者)の塩谷さおり氏(写真:的野弘路)
オンラインで高血圧診療が受けられるサービスを開発した、イーメディカルジャパン副社長COO(最高執行責任者)の塩谷さおり氏(写真:的野弘路)

 医師たちが集う会場で、鮮やかな青のジャケットがひときわ異彩を放っていた。

 2022年10月、京都市左京区。日本では16年ぶりの開催となった国際高血圧学会で登壇し、英語でスピーチをしたのは、創業してまだ1年のスタートアップ、イーメディカルジャパン(東京・中央)の塩谷さおり副社長COO(最高執行責任者)である。

 スポットライトを浴びたのは、この場面だけではない。会期中、同社の出展ブースには次々と医師が立ち寄り、注目度の高さを見せつけた。

国際高血圧学会に参加し、医師たちの質問に答える塩谷氏
国際高血圧学会に参加し、医師たちの質問に答える塩谷氏

 それもそのはず。当時、関東エリアでは、こんなテレビCMが流れていた。

 「もう、通院しなくていいんだ。薬待ちしなくていいんだ。家にいながら診療。薬も届く。サービス名は高血圧イーメディカル、高血圧イーメディカルで検索」

 高血圧イーメディカル――。その名の通り、イーメディカルジャパンが始めたのは、オンラインで高血圧の診療が受けられるというサービスだ。

 医師による診察はスマホアプリ内のビデオ通話で行い、15分以内で完了する。初診を含めて通院は不要。処方薬は自宅に郵送されるため、薬局に赴き、薬の準備ができるのを待つ必要もない。

 自宅にはオムロンヘルスケアの血圧計が無償で届き、測定した血圧や脈拍データは近距離無線通信のBluetooth(ブルートゥース)接続により、自動でアプリに記録される仕組みだ。血圧の推移を継続的に追えるだけでなく、専門医にもその数値が共有され、異変があれば連絡してくれるモニタリング付き。アプリにはチャット機能も実装されており、不安な点はいつでも医師や看護師に相談できる。

 料金は薬の処方、配送代込みのオンライン診療プランが月額4950円(税込み)、血圧モニタリングとチャット相談のみのモニタリングプランは月額1650円(同)となっている。

テレビCMでは「もう、通院しなくていいんだ」とアピールした
テレビCMでは「もう、通院しなくていいんだ」とアピールした

自社事業として医療に挑戦

 このサービスが注目されているのは、新型コロナウイルス禍を機に解禁されたオンライン診療を取り入れたからだけではない。

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を再建した立役者として知られる森岡毅氏率いるマーケティング精鋭集団「刀」(大阪市)が、初めて医療分野の開拓に名乗りを上げたからだ。

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