生き物たちがデジタルアートによって図鑑から飛び出し、超至近距離で観察できるのが特徴だ
生き物たちがデジタルアートによって図鑑から飛び出し、超至近距離で観察できるのが特徴だ

 ヘラジカ、カナダヤマアラシ、アマゾンカワイルカ……。東京都心の銀座に、世界各地の生き物たちがすみついたのか。

 2021年7月16日、東急プラザ銀座の6階に開業したのは「ZUKAN MUSEUM GINZA」。『小学館の図鑑NEO』シリーズに登場する生き物たちのリアルな生態を、デジタルアートによって描き出し、目の前で観察できるという新感覚のアカデミック・エンターテインメントだ。

 約1500平方メートルの館内には、地球の自然環境が、ぎゅっと凝縮されている。森林(ディープフォレストゾーン)、清流(ウオーターフォールゾーン)、水中(アンダーウオーターゾーン)、草原(ワイルドフィールドゾーン)、そして雑木林の中を「アリ目線」でのぞく「アントビューゾーン」。順路はない。好奇心の赴くままに歩を進めると、さまざまな生き物と遭遇できる仕組みだ。

サバンナの環境を再現した「ワイルドフィールドゾーン」
サバンナの環境を再現した「ワイルドフィールドゾーン」

地球を縦横無尽に“瞬間移動”

 アフリカに生息するナイルワニを発見したかと思えば、パプアニューギニアの北東部にのみ分布する世界最大級のチョウ「アレクサンドラトリバネアゲハ」が、鮮やかな羽を広げて飛び立つ。北米の山岳地帯にすむ大型のヒツジ「ビッグホーン」が草原を駆け抜け、雑木林に分け入ってアリの目線で見上げると、カブトムシがとんでもない大きさで迫ってくる。地球を縦横無尽に“瞬間移動”できるのが、このミュージアムの醍醐味だ。

世界最大級のチョウとして知られる「アレクサンドラトリバネアゲハ」も“生息”する
世界最大級のチョウとして知られる「アレクサンドラトリバネアゲハ」も“生息”する
アントビューゾーンでは、カブトムシが“巨大化”して見える
アントビューゾーンでは、カブトムシが“巨大化”して見える

 館内では現実世界と同様に、時が流れ、天候が移り変わる。ただし、その時の流れは、驚くほど速い。1日の長さは24分。そのため、朝、昼、夕方、夜とめまぐるしく風景が変わる。同じエリアでも、昼と夜とでは、出現する生き物が全く異なる。動物園や水族館と違って、ぐるりと1周しただけでは、すべての生き物と出合うことはできない。

 それぞれに特徴的な行動をしているので、その行動をじっくりと観察し、記録するというのが来場者のミッションだ。例えば、シアマン(フクロテナガザル)であれば、のど袋を膨らませて大きな声を出す習性がある。図鑑として蓄積してきたこうした情報を、最新の映像技術でリアルに再現した。

続きを読む 2/6 「記録の石」で図鑑づくりを追体験

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