
順風満帆ではなかった。
「最初の数年間は、ほとんど売り上げがなかった。創業から丸4年でようやく1000万円程度(注:2017年9月期の売上高は872万円)。我慢の日々でした」
22年12月15日、東証グロース上場を果たしたスマートドライブ。北川烈社長は、これまでの歩みをそう振り返る。
思うように業績が伸びない。先行投資ばかりがかさみ、一時は個人で7000万円もの借金を抱えた。それでも事業を諦めなかった。
移動の世界に革命が起きる――。そう信じていたからだ。
挿し込むだけで「つながる車」に
CASE(つながる車、自動運転、シェアリング、電動化)と呼ばれる技術革新によって、車の概念は様変わりした。インターネットを介して外の世界とつながった車は、ビッグデータを生み出す存在となった。スマートドライブはまさにこの移動にまつわるデータを収集、分析するサービスを手掛けている。
その一つ、「SmartDrive Fleet(スマートドライブフリート)」という法人向けの車両管理システムはこんな具合だ。1台1台の車が今どこを走っているのか、地図上にリアルタイムで描き出す。走行ルートを追えるだけでなく、ドライバーの運転の癖を可視化し、安全運転ができているかを点数化する。車両の予約はスマホで完結。走行履歴を基に運転日報を自動作成し、アルコール検知器と連携して乗車前の酒気帯びチェックも手軽に記録できる。
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