コロナ禍によって開催が1年延期された東京オリンピック・パラリンピックの本番が迫っている。しかし、選手団も報道陣も行動範囲を厳しく制限され、とても「空間を楽しむ」余裕はなさそうだ。会場施設の「建築としての魅力」が報道を通じて伝えられる可能性は低いだろう。それでも、競技中継では会場が映る。映れば気になる。この連載では東京五輪で特に注目してほしい競技施設とその見どころ、1964年に開催された前東京五輪との比較などを、写真とイラストを交え、4回にわたって紹介する。
シリーズ
五輪間近!新設スタジアム群に来た、見た、描いた

全4回
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「幻のザハ案」があって実現した高コスパの隈流「国立競技場」
飛ぶ鳥を落とす勢いの建築家・隈研吾氏(1954年生まれ)が設計の中心になった「国立競技場」。開会式・閉会式がここで行われるので、ほぼ全国民が映像で目にすることだろう。国立競技場では、多くの人がデザインに何かを言いたくなっ…
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1人の天才よりチーム力、東京五輪「3大アリーナ」の魅力
今回の東京五輪のために新設された大規模施設は、前回紹介した「国立競技場」のほかに3つある。これらはいずれも屋根で覆われた全天候型の競技施設で、関係者の間では「3大アリーナ」とも呼ばれている。「東京アクアティクスセンター」…
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代々木競技場は世界遺産級、まさに「レガシー」残した1964東京五輪
前東京五輪の水泳競技会場として建設された国立代々木競技場(1964年竣工、当時の名称は国立屋内総合競技場)が、国の重要文化財となることが内定した。今年5月21日、文化審議会(佐藤信会長)が同施設を重要文化財に指定するよう…
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新旧五輪施設プロセス比較、コロナで緩和された「がっかり感」
前回は1964年の東京五輪が残した“レガシー”ともいうべき建築群について語った。現代に戻って、今回の五輪施設はどうか。この連載では第1回で「国立競技場」、第2回で3大アリーナと呼ばれる「東京アクアティクスセンター」「有明…
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無観客でも満席に見える 「未来予知」と話題の国立競技場を疑似体験
原則「無観客」でのオリンピック・パラリンピックの開催が決まり、国立競技場が「まるで無観客開催を予知していたかのようだ」とSNSがざわついている。無観客で改めて注目が高まっている国立競技場を、50枚の写真で疑似体験していた…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回