オリンピック・パラリンピックとも原則「無観客」での開催となり、隈研吾氏が設計の中心になった国立競技場が、「まるで無観客開催を予知していたかのようだ」とSNSがざわついている。当初予定では4回だったこの連載だが、5回目として、無観客となったことでかえって注目が高まっている国立競技場を、50枚の写真で疑似体験していただきたい。

2019年12月15日に行われた竣工式典の様子。このときも、無観客でも満席のように見えた。壇上には安倍晋三前首相や小池百合子都知事、建築家の隈研吾氏らが並ぶ。なぜ客席がまだら模様のデザインなのかは後述する(写真:宮沢 洋)

 筆者は2016年から19年末まで建築専門雑誌「日経アーキテクチュア」の編集長だったが、その後、独立し、現在は「画文家」という肩書で活動している。この5月には『隈研吾建築図鑑』というイラスト図解本を出版した。この記事も、補足的にイラストを使ってリポートする。

国立競技場の全体イメージ(イラスト:宮沢 洋)

 念のためおさらいしておくと、この施設の設計案は、ザハ・ハディド氏(1950~2016年)の案が安倍晋三前首相の一声で白紙撤回された後、コンペで選ばれた。大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所共同企業体(JV)の設計・施工だ。

 JR千駄ヶ谷駅方向から向かうと、こんな外観だ。最高高さ約47m。これでも十分巨大だが、白紙撤回されたザハ案は最高高さ約70mだった。

西側の外苑西通りから見た外観。2021年7月11日撮影。下の2点も(写真:宮沢 洋)
五輪期間中は立ち入り禁止範囲が広いため、外観が最も近くに見えるのはラーメン店「ホープ軒」の前のこの辺り(写真:宮沢 洋)
警備の方が持っていた案内図を撮らせてもらった。ピンク色の部分は五輪期間中、立ち入り禁止(写真:宮沢 洋)
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