前回は1964年の東京五輪が残した“レガシー”ともいうべき建築群について語った。現代に戻って、今回の五輪施設はどうか。

 この連載では第1回で「国立競技場」、第2回で3大アリーナと呼ばれる「東京アクアティクスセンター」「有明アリーナ」「有明体操競技場」の3施設を取り上げた。これらのほかに「大井ホッケー競技場」や「選手村ビレッジプラザ」などが新たに建てられた。まずは、ざっと写真を見てみよう。

 「国立競技場」。設計・施工:大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所共同企業体(JV)。

国立競技場。2019年12月撮影(写真:宮沢 洋)

 「東京アクアティクスセンター」。基本設計:山下設計。実施設計および施工:大林組・東光電気工事・エルゴテック・東洋熱工業JV。

東京アクアティクスセンター。2019年11月撮影(写真:宮沢 洋)

 「有明アリーナ」。基本設計:久米設計。実施設計および施工:竹中工務店・東光電気工事・朝日工業社・高砂熱学工業JV。

有明アリーナ。2021年6月撮影(写真:宮沢 洋)

 「有明体操競技場」。基本設計:日建設計。実施設計および施工:清水建設。

有明体操競技場。これは仮設建築で、五輪の後は10年程度、展示場として使われる予定。2019年11月撮影(写真:宮沢 洋)

 「大井ホッケー競技場」。基本・実施設計:梓設計。施工:菊池建設。

大井ホッケー競技場。2020年11月撮影(写真:磯 達雄)

 「選手村ビレッジプラザ」。設計:日建設計。施工:熊谷組・住友林業JV。

選手村ビレッジプラザ。五輪のための仮設建築。選手の生活を支える店舗やカフェ、メディアセンターなどが入る施設として造られた。2020年1月撮影(写真:宮沢 洋)

 すでにお気づきだと思うが、隈氏以外にいわゆる「アトリエ事務所」の名前はない。施設の設計を担当したのは、いずれも「組織設計」と呼ばれる大規模設計事務所と、建設会社設計部だ。ちなみに隈氏の事務所(隈研吾建築都市設計事務所)も300人ほどのスタッフがおり、決してアトリエという言葉から想像されるような中小事務所ではない。

続きを読む 2/3 プリツカー賞「最多」でも五輪は…

この記事はシリーズ「五輪間近!新設スタジアム群に来た、見た、描いた」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。