「頭がいい人とそれ以外の人の違い」について、偏差値35から東大合格した僕(西岡壱誠)が考える、このコラム。今回のテーマは「論理的思考の落とし穴」です。

 突然ですが、質問です。あなたは今、数学の勉強をしています。参考書の例題を解いていて、どうしてもわからない問題が出てきました。仕方なく答えを見ましたが、解法を読んでも、なぜそうなるのかが、いまひとつわかりません。ここであなたは、どうするでしょうか?

1)「なぜそうなるのか」が腑に落ちるまで調べ、考える
2)まず解法を暗記することにして、次に進む

 ……いかがでしょうか?

 実はこの質問の答えに、みなさんの思考・行動のクセが出ています!

理屈っぽい人は、ちょっと不器用かもしれない

 漫画『ドラゴン桜2』では、受験生が己を知るためのツールとして「FFS理論」が紹介されています(FFS理論については、前回もご説明したので、覚えていらっしゃる方は、次の2段落は飛ばして読んでください)。

 「FFS」というのは、「Five Factors & Stress」の略称です。まったく同じシチュエーションが、ある人にとってはストレスで耐えられないのに、別の人には全然苦にならない、といったことがありますよね。このような個性による感じ方や行動の違いを5つの因子で説明するのがFFS理論で、組織心理学者の小林惠智博士が開発したものです。5つの因子とは、具体的には……

保全性:維持しながら積み上げる力
拡散性:飛び出していこうとする力
弁別性:白黒はっきりさせる力
受容性:無条件に受け入れる力
凝縮性:自らの考えを固めようとする力

 ……の5つです。この中で、「保全性」と「拡散性」に関しては、前回の記事でご紹介させていただきました。

 そして、先ほどの質問は、「弁別性」に関わるものです。

 1)と答えた方は、おそらく弁別性が高いタイプでしょう。何事においても白黒をはっきりさせたいタイプで、物事を理性的に判断するのは得意です。逆に「なぜそうなるのか」とか「なぜそうしなければならないのか」といった、理由や原因を気にするあまり、何をするにも背景まで理解して納得できなければ動けないという、ちょっと不器用なところもあります。

 一方、先ほどの質問に2)と答えた人は、弁別性が低いと考えられます。理屈で白黒をはっきりさせるのは苦手ですが、曖昧さを受け入れられるタイプなので、「数学の解法を暗記する」ことにも、あまり抵抗を感じません。

「弁別性が高い東大生」は、どんな勉強をしている?

 さて、僕は現在、いろんな東大生にFFS診断を受けてもらうと同時に、勉強法をインタビューするという調査をしています。FFS理論への理解を深めるため、『ドラゴン桜とFFS理論が教えてくれる あなたが伸びる学び型』などの著書を持つ古野俊幸さん(古野さんのプロフィルなどはこちら)に取材し、勉強したりもしています。

 なぜかというと、FFS診断のタイプによる東大生の勉強法の違いがわかれば、大学受験生をはじめ、いろいろな人の勉強法向上に生かせると思うからです(今までの研究結果の一部をこちらで、紹介しているので、興味のある方はご覧ください)。

 その中で、最近、弁別性についてわかってきたことがあります。

続きを読む 2/5 「1+1=2」は、暗記するしかない

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