「英語の、何ができないんだい?」

 いきなり「分解」と言われてもあまりよくわからないかもしれませんが、違う言葉でご説明すると「細分化」「具体化」のことです。頭のいい人は、勉強はもちろん、何に取り組むときでも、自分の目標や悩み、弱点を「分解」して考える能力が高いのです。

 例えば、「自分は英語ができない」と悩んでいる高校生がいたとします。

 僕はいろんな中学生や高校生の家庭教師をしてきましたし、今は講演などもしていて、そういった場で、こういう質問を多くもらいます。そのときに僕は必ずこう質問を返すようにしています。

 「英語の、何ができないんだい?」と。

 そうすると、多くの生徒たちが口ごもります。「何となく英語ができない」という感覚はあるのだけど、「英語の何ができて、何ができていないのか」を、詳しく答えることはできない。そういうことが、よく発生します。

 逆にここで、「英単語を覚えるのが遅いです」とか「リスニングの問題でいつも間違ってしまっています」とか、自分の悩みを具体的に、細分化して答えられる生徒もいて、そういう生徒は、必ずといっていいほど、その後、成績が上がります。

 なぜなら、悩みが具体的な生徒というのは、悩みを僕に相談した時点でもう、やるべきことがわかっているからです。「英語ができない」という「漠然とした問題」で悩んでいるときは、解決の糸口を見つけるのは困難です。問題がぼんやりしていたら解決策もぼんやりしてしまいますよね。しかし問題が分解されて、「英語のなかでも英単語を覚えるスピードが遅い」というように具体化されていれば、「それなら英単語の暗記のスピードが上がる方法を考えよう」という感じで解決策も具体化しやすいです。

 「問題をきちんと述べられれば、半分は解決したようなものだ」というのはとある米国の発明家の言葉ですが、まさにその通りで、問題を「分解」できれば大抵のことは解決するのです。

 翻って偏差値35だった頃の僕は、「わからない」と感じると、すぐに思考停止してしまっていました。

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