なぜ偏差値が上がると、性格が変わるのか?

 自分への自信、友達とのコミュニケーション、先生との接し方、家族との距離感……。いろんなものが今までと何かしら違って、「うちの子、本当に変わったんです」なんて、親御さんにおっしゃっていただける場面が多くあります。

 それは、単純に勉強ができるようになったからではないと思います。

 そもそも「偏差値を大きく上げたい」という気持ちがなければ、偏差値が15上がることはありません。偏差値を大きく上げて、「今のままでは行けるはずのない大学に行きたい」。そういう気持ちを強烈に持つ学生というのは大抵、「今いる場所から全然違うところに行くこと」を望んでいます。

 「今まで僕は、自分の力で何かをつかもうとか、自分の人生を自分の意思で変えようと思ったことがなかった。でも、この受験勉強で初めて、自分で何かを変えたいと思って努力している」

 そんなふうに語って勉強し、受験に臨む学生が多いんですよね。

受験勉強とはスポーツである

 みなさんは、スポーツの語源を知っていますか? ラテン語の「deportare」(デポルターレ)に由来しますが、さらに分解して「port(港)」を「super(超える)」と捉えることもできます。今いる場所から、今の日常から、全然違う場所に行くための努力をすること。これがスポーツの本質であるとも考えられます。

 そういう意味では、受験勉強はスポーツにほかなりません。受験勉強で努力するということは、今の自分を捨て去って違う自分になろうとすることだからです。

 そしてその努力の過程で、多くの学生は自分を変えることができています。志望校に落ちても受かっても、です。結果によらず、努力した過程自体で、受験生は大きく変わるのです。

 「人間は変われる」というのは、「ドラゴン桜」の中でも語られています。

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