15年近く前から人材の多様化を進め、人手不足を解消している世界的中小企業がある。トップの「経営者と従業員の垣根を越えたサポート」が外国人材の定着を促した。ダイバーシティー戦略の成否もまた、企業規模の大小では決まらない。

 「ダイバーシティー(多様性)が進んでいる中小企業と言われるが、自分たちとしてはもはや『外国人を雇用している』という意識はない。普通に優秀だと思う人材を採用していて、その結果として今の体制になっているだけ」。カーレース「F1」用の関連部品を中心に、航空機や次世代電気自動車のエンジン用の高性能部品を手掛ける小金井精機製作所(埼玉県入間市)の鴨下祐介社長はこう話す。

 海外では「メルセデス・ベンツ」で知られるドイツのダイムラー、BMW、アウディ向けにも納め、高い評価を獲得。過去にはF1ドライバー、アイルトン・セナを擁したマクラーレン・ホンダの部品も手掛け、同社製品の部品のユーザーチームが表彰台を独占したこともある。そんな小金井精機製作所の精密機械加工技術の一翼を担うのが、2007年から受け入れているベトナム人社員たちだ。

小金井精機製作所で日本人に作業を教えるベトナム人技術者。2007年から受け入れている

 現在、現場の技術者約270人のうち、1割超の約30人がベトナム人。いずれも正社員で、業務内容から給与水準、人事評価、福利厚生まですべて日本人と全く同じ条件で働いている。

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