日立製作所の自動車部品子会社、日立Astemo(アステモ)は12月22日、車のブレーキ部品とサスペンション(懸架装置)部品の定期試験や出荷検査を巡り、不正があったと発表した。オンライン会見に出席したブリス・コッホCEO(最高経営責任者)は「検査の重要性に対する意識がワーカーレベルで足りなかった」と説明。検査が形骸化している実態が明らかになった。

 不正があったのは山梨工場(山梨県南アルプス市)と福島工場(福島県桑折町)。日立が2004年に買収したトキコの拠点だ。山梨工場では、ブレーキ部品の品質定期試験で、顧客と取り決めた試験項目の一部を実施せず、試験を実施したかのように報告書にデータを記載していた。不正は2003年10月から21年3月まで行われ、約5万7000件が該当。自動車メーカー9社向けの部品が対象になっていた。

オンライン会見に出席した日立アステモのブリス・コッホCEO(右)(写真=共同通信)
オンライン会見に出席した日立アステモのブリス・コッホCEO(右)(写真=共同通信)

 一方、サスペンションの部品を生産する福島工場では、出荷検査で顧客に指定された条件を変えたり、試験データを変更したりしていた。出荷前の検査では2000年ごろから21年10月まで1000万件を超えるサスペンション部品で不正が見つかった。

試験をせずにデータを記載

 会見で浮き彫りになったのは検査の形骸化だ。試験を実施していないにもかかわらずデータを記載したり、指定された条件を変更したりした顧客への対応からすると、意図的だった可能性は否定できない。故意に実施されたかどうかは外部調査委員会が調査する方針だが、検査は顧客との信頼を担保する1つの重要な要素。日立アステモはその検査をないがしろにした。コッホCEOは「(再度)検査を実施し、安全に問題はない」と説明する。

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