企業と社外取締役の理想の関係を探るインタビュー。2回目は学校法人「成蹊学園」の学園長で、社外取締役の経験も豊富な江川雅子氏に聞いた。
■本シリーズここまで
(1)最先端のガバナンスで混乱する東芝 社外取締役は必要か
(2)ボード3.0の巨人エクソン アクティビスト社外取が脱炭素を主導
(3)ボード3.0の源流にジョブズ氏も 閉塞感を打ち破るきっかけに
(4)日本でもボード3.0 アクティビストと元経営者のオリンパス改革
(5)丸井グループが掲げる日本版ボード3.0 社外取は長期投資家
(6)富士通と日立の改革支える「外部の目」 社外取が取締役会を活性化
(7)“女性社外取バブル”の光と影 日本のガバナンス改革の現在地
(8)“お飾り”の女性社外取 株価は上がるが業績は上がらず
(9)社長辞任を迫られても納得する人こそ社外取の理想

社外取締役のあるべき姿は、執行側幹部のパートナーとして、力を合わせて企業価値の向上を目指すことにある。孤独な社長が信頼を寄せるアドバイザーのイメージだ。ただ社長に大きな問題がある場合は、退任を迫る必要があるかもしれない。また重大なコンプライアンス(法令順守)事案で意見の相違があれば、自ら辞任することでシグナルを送る必要もある。こうした行動を含め、本当の意味で経営にコミットすることが大切だ。
会社について理解していないと実質的なアドバイスや経営の監督ができない。海外では社外取締役に対し、社員と同じ水準の社内情報へのアクセス権を与えつつ、取締役会で付加価値のある助言や質問を求める企業がある。私も社外取締役を務める会社を理解するため、海外出張のついでに現地法人に立ち寄ったり、消費者向けのサービスを客として利用したりする。会社に女性社員との対話を求められることも多いが、社内の文化を知る重要なチャンスと考える。
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