新聞向けの輪転機大手、東京機械製作所の支配権を巡る異例の攻防は、経営陣が優勢に立った。10月22日の臨時株主総会で、買収防衛策の発動が可決された。さらに29日、買収を仕掛けたアジア開発キャピタルによる買収防衛策の発動を差し止める仮処分の申し立てを、東京地裁が退けた。アジア社は11月1日に東京高裁へ即時抗告した。

 今回、東京地裁の判断が注目を集めた一つの要因は、東京機械製作所の経営陣が臨時株主総会で持ち出した「マジョリティー・オブ・マイノリティー(MoM)」という手法だ。約4割の株式を保有するアジア社以外の「一般株主」から過半数の賛同を得られれば、買収防衛策を発動できるとした(関連記事:東京機械製作所、「少数株主の過半数」で決める異例の買収防衛策)。

10月22日の東京機械製作所の臨時株主総会で、買収防衛策の発動が可決された
10月22日の東京機械製作所の臨時株主総会で、買収防衛策の発動が可決された

 大株主の議決権なしに買収防衛策が発動できるなら、企業経営陣は最強の「盾」を手に入れたようにみえるが、コトはそう単純ではない。買収を仕掛ける側やアクティビストにもMoMが新たな「矛」になる可能性を秘めている。どういうことか。

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