99.97%。

 これは2020年の全国の4証券取引所(東京、名古屋、札幌、福岡)の年間売買代金を比べた際、東京証券取引所が全体に占める割合だ。具体的には、東京が742兆円、名古屋が1199億円、札幌350億円、福岡265億円で、東証が圧倒している。同年の年間売買高で見ても、ほぼ同率だ。

証券会社の方針で東京一極化

 背景には、証券会社の方針がある。大半の証券会社は、投資家の注文に対し、価格や費用、注文成立までの時間など、総合的に判断して最も条件のいい市場を選んで売買している。そのため相対的に最も条件の良い東証に取引が集中しているのだ。

 この特集「東証再編サバイバル 上場とは何か」では、来春の東証市場再編を踏まえ、東証1部に相当する新市場「プライム市場」の上場維持基準前後の当落線上にある企業を中心にその取り組みなどを紹介してきた。

 影響は企業だけにとどまらない。東証市場再編の問題は、取引量が極めて少ない地方証券取引所の存在意義とは何かという問いも投げかけている。

 名古屋証券取引所は、来春の東証市場再編を踏まえ、「1部」「2部」、新興市場の「セントレックス」の市場区分を見直す。それぞれ来春に「プレミア」「メイン」「ネクスト」へと名称を変え、経過措置もあり、各上場企業が横滑りで新市場に移行できる。

2020年10月に東京証券取引所のシステムトラブルで売買が終日停止した際は、東証のシステムに相乗りする名古屋証券取引所でも取引がストップした(写真=共同通信)
2020年10月に東京証券取引所のシステムトラブルで売買が終日停止した際は、東証のシステムに相乗りする名古屋証券取引所でも取引がストップした(写真=共同通信)

重複上場解消企業も相次ぐ

 名証のプレミアの上場維持基準は、東証の最上位になる新市場「プライム」とやや異なる。プライムでは「流通時価総額100億円以上」だが、プレミアでは流通している株式から算出する流通時価総額ではなく、全発行済み株式を基にする時価総額を重視し「時価総額100億円以上」に設定している。個人株主に関して「持ち株比率5%以上、または株主2000人以上」という新たな基準も設けた。

 東証の基準と足並みをそろえなかった理由について、名証は「東証とでは市場の特性が違うため。個人株主の売買が多く、20年は売買高で8割ほどが個人。そうした独自性を勘案した」としている。

続きを読む 2/3 プロ市場からの移行を狙う

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