テレビショッピングでおなじみの通販業ジャパネットホールディングス(HD)。上場企業がゼロの長崎県の佐世保市に本社を構える同社は、前社長の髙田明氏の代から、非上場の方針を貫く。その理由について、ジャパネットHDの髙田旭人社長兼最高経営責任者(CEO)は「上場をすれば、唯一無二のことをやるジャパネットがジャパネットではなくなる」と語った。その真意とは。

<span class="fontBold">髙田旭人(たかた・あきと)氏</span><br>1979年長崎県生まれ。2002年東京大学卒業後、野村証券を経て、03年に父の明氏が社長を務めるジャパネットたかたに入社。副社長などを経て、15年ジャパネットホールディングス(HD)社長、18年から最高経営責任者(CEO)兼務。(写真:竹井俊晴、以下同じ)
髙田旭人(たかた・あきと)氏
1979年長崎県生まれ。2002年東京大学卒業後、野村証券を経て、03年に父の明氏が社長を務めるジャパネットたかたに入社。副社長などを経て、15年ジャパネットホールディングス(HD)社長、18年から最高経営責任者(CEO)兼務。(写真:竹井俊晴、以下同じ)

株主への労力を減らしたい

上場をしていませんが、なぜですか?

髙田旭人・ジャパネットHD社長兼CEO(以下、髙田氏):父である髙田明・前社長の代から方針は変わっていませんが、そもそも上場する必要性を感じたことがありません。一般的に上場する利点は、資金調達、知名度の向上、ガバナンス(企業統治)体制の構築、人材確保などです。私たちは、テレビ通販という事業をしているので、知名度があります。通販業なので、工場や店舗を造るような大きな初期投資費用もいりません。

ガバナンスの観点ではどうでしょうか?

髙田氏:確かに適正なガバナンスを利かせられているのかを懸念する見方はあります。ガバナンスの面で上場と非上場のどちらがいいのかという点は永遠のテーマであり、我々はそこに問題意識を感じておりません。

 私たちの考えが分かる出来事があります。今はジャパネットHD子会社になっているサッカーJ2のV・ファーレン長崎が2017年に債務超過に陥った際です。私たちが救済先として手を挙げました。多数いる株主の前で、「皆さん全員がジャパネットHDに株を売る考えがあるならば我々は頑張ります」「もし、どなたかが株を持ちたいと思っているならば、支援できません」と申し上げました。

 当時V・ファーレンはどちらかといえば、ファンよりもスポンサーや株主に対して一生懸命活動しているように映りました。そのときも私たちはスポンサーであり、株主でした。しかし、スポーツチームは選手とファンこそが楽しくあるべきだと考えていました。ですから我々は、V・ファーレンが配慮する相手を減らしたかったのです。

続きを読む 2/5 株主の最大利益のために仕事はしない

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2380文字 / 全文4328文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

世界の頭脳に学ぶウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「ガバナンスの今・未来」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。