「門出の日に障害が起きたことはまさしく痛恨の思いだ」

 8月20日に今年に入って5度目の大規模システム障害を発生させたみずほフィナンシャルグループ(FG)の坂井辰史社長は、この日夕方にあった記者会見でこう述べ、苦渋の表情を浮かべた。

 8月20日。この日は、みずほFG関係者にとって特別な日の一つ。坂井社長の言葉通り、グループにとって門出の日だ。

「金融再生のフロントランナーに」

 今から22年前の1999年。都内のホテルで、みずほFG前身の第一勧業、富士、日本興業の旧3銀行のトップが2000年秋に持ち株会社を設立して経営統合をすると発表し、カメラのフラッシュを多く浴びながら3人は握手を交わした。

1999年8月、共同の金融持ち株会社設立の記者会見を終え握手する(左から)第一勧業銀行、日本興業銀行、富士銀行の3行頭取(写真:共同通信)
1999年8月、共同の金融持ち株会社設立の記者会見を終え握手する(左から)第一勧業銀行、日本興業銀行、富士銀行の3行頭取(写真:共同通信)

 金融制度改革による競争激化やバブル崩壊で積み上がった不良債権処理による経営悪化を背景に、統合によって競争力を高める狙いだった。新グループの当時の総資産は約140兆円で、金融機関として世界最大規模だった。

 当時の発表会見で3行の首脳陣は「日本の金融再生のフロントランナーになる」「安定的に業務純益1兆円超を目指す」「収益力、資本力、サービス力で世界の五指に入りたい」と誇らしげに夢を語った。

 第一勧業と富士のリテール(小口金融)に、興銀の大企業顧客を抱えて旧財閥の枠を超えた取引が可能となった国内初のメガバンクは、現在の3メガ体制の起点にもなった。そういう意味で、日本金融界にとっても、節目の日だったといっていい。

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