ベンチャーキャピタル大手のジャフコグループは8月15日、旧村上ファンドを率いた村上世彰氏の影響下にあるシティインデックスイレブンス(東京・渋谷)などが15%弱の株式を保有したと発表した。村上氏らは今後51%まで保有比率を高める可能性を示唆したとして、ジャフコは買収防衛策の発動も見据えた対応策を明らかにした。村上氏がこれまで投資してきたエネルギーや半導体、建設業界と異なり、「同業」の投資ファンドを投資対象に選んだ例は珍しい。スタートアップ業界に与える影響や買収防衛策を巡る攻防の行方は?

 ジャフコグループは、1973年に設立した老舗ベンチャーキャピタル(VC)だ。創業間もないスタートアップに投資し、経営を支援して成長した後、株式を売却して利益を得てきた。独立系VCとしては日本最大級の資産を運用し、1000超の投資先が上場を果たした。時価総額が1000億ドルに上るとされる中国のアパレル未上場企業SHEIN(シーイン)に出資するなど海外でも豊富な投資実績を持つ。

 ジャフコの開示資料によると、村上氏やシティの幹部は8月4~5日にジャフコ幹部と面談し、約500億円の自社株買いを実施することを要求した。500億円は、ジャフコの連結株主資本の約40%に相当する。

村上世彰氏(左)とジャフコグループが入居しているビル(村上氏:共同通信)
村上世彰氏(左)とジャフコグループが入居しているビル(村上氏:共同通信)

 シティなどは5月ごろから市場内で株式を買い始めた。光通信とみられる大口の既存株主と市場外取引(相対取引)も行い、8月5日時点で15%弱まで保有比率を高めた。「村上氏の投資例の中でもかなり速いペース」(関係者)で買い集めは進んだ。

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