企業の不祥事が起きるたびに根本の原因といわれる「あしき社風」。経営者は改革を誓うが、悪夢は幾度となく繰り返される。実際のところ、不祥事企業に勤務する現役社員はどう考えているのか。

 日経ビジネスは不祥事を繰り返す企業の現役社員のインタビューを実施した。登場してもらうのは、2021年6月に長期にわたる組織的な検査不正をしていたことが発覚した三菱電機、2月から3月にかけて3度目となる大規模なシステム障害を起こしたみずほ銀行、15年に不正会計、20年以降には経済産業省と共同で株主に圧力をかけた問題が指摘された東芝の現役社員だ。自らが勤める会社の社風をどう捉えているのか。

三菱電機では6月に組織的な検査不正が発覚し、前社長が辞任に追い込まれた(写真:つのだよしお/アフロ)
三菱電機では6月に組織的な検査不正が発覚し、前社長が辞任に追い込まれた(写真:つのだよしお/アフロ)

企業で不祥事が起きると、根底には「あしき社風」があると指摘されます。勤務している企業の社風をどう捉えていますか。

三菱電機社員のDさん(40代):上司に意見を言わない風土はある。事業本部だと、担当、課長、部長、事業部長、本部長という序列があるが、トップである本部長は神のような存在だ。部長が本部長に直接話すと、間にいる事業部長はいい顔をしない。

 本部長は(年度によって異なるが)いわゆる「1億円プレーヤー」だ。報酬の高さからこのポジションを目指す人は多く、上への忖度(そんたく)が半端ない。顧客と話していても「三菱電機は管理職の権限が強すぎる」とよく言われる。これが(経営陣も会見などで指摘している)「上にものが言えない風土」なのかなと。

東芝幹部社員のTさん(40代):よく言えば真面目、悪く言えば従順かな。仮に変だと思っても上が決めたことをやってしまう風土がある。

 ただ、事業部門によって文化は違う。もう手放したけど、パソコンや半導体メモリー事業は動きが速く、自ら市場を開拓するためガツガツした感じだった。一方で重電はややのんびりしている。官公庁向けの業務も多く、顧客を見て仕事をしている雰囲気だ。

三菱電機のDさん:三菱電機も事業本部が数多くあり、メディアなどでよく指摘されるように縦割り意識が強い。別の本部のことは当事者ではないと感じている社員が多い。

3行の悪いところを足し合わせた社風

みずほ銀行はどうですか。第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3行が合併して生まれましたが、どこかの社風を引き継いでいるのでしょうか。

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