東芝が6月25日に開いた定時株主総会で、永山治取締役会議長(中外製薬名誉会長)の再任案が否決された。28日に関東財務局に提出した臨時報告書によると永山氏の賛成比率は43.74%にとどまった。過半の株主が「ノー」を突きつけた意味は重い。綱川智社長兼CEO(最高経営責任者)が暫定的に取締役会議長に就任したが、混迷は長引きそうだ。

6月25日の定時株主総会には新型コロナウイルス禍にもかかわらず数多くの株主が出席した(写真:神田啓晴)
6月25日の定時株主総会には新型コロナウイルス禍にもかかわらず数多くの株主が出席した(写真:神田啓晴)

 直接の引き金は6月10日に公表された調査報告書だ。昨年7月の定時総会ついてアクティビスト(物言う株主)が指名した外部の弁護士が調べ、「株主総会が公正に運営されたものとはいえない」と結論づけていた。

 会社側は当時の監査委員会委員長だった太田順司氏ら2人の再任案を取り下げて幕引きを図ったが、株主の怒りは収まらない。米国の議決権行使助言会社2社が議長を務めていた永山氏にも混乱の責任があるとして、再任に「反対」を推奨したことも拍車をかけた。アクティビストに加えて国内の機関投資家も反対票を投じ、今回の否決に至った。

 6月25日の株主総会では、監査委員会の委員だった小林伸行氏の再任も否決された。選任された取締役のうち、ジョージ・オルコット氏も「総会後の体制を踏まえ、自身の貢献の仕方とその可能性を再考した」結果、同日辞任した。招集通知に記載された候補者13人のうち、5人が就任しない非常事態になっている。

議長「否決」は防げたはず

 議長候補の否決は、会社側の「敗北」に等しい。コーポレートガバナンス(企業統治)に詳しい早稲田大学ビジネススクールの鈴木一功教授は「今回の事態は東芝経営陣の対応次第で防げたはずだ」と指摘する。

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