「今般の報告書の指摘を踏まえ両氏の再任についての株主の理解を得るのは難しいと判断した」。6月14日に東芝が開催したオンラインでの緊急会見。登壇した取締役会議長の永山治氏は、6月25日の定時株主総会で諮る取締役候補者の変更理由をこう説明した。永山氏は指名委員会の委員長も務めている。

(写真:ロイター/アフロ)

 東芝は6月13日に臨時取締役会を開き、監査委員会委員長の太田順司氏と監査委委員の山内卓氏を定時株主総会で諮る取締役候補者から外すと発表した。2人は社外取締役で、6月25日の総会で退任する。候補者は5月公表時点の13人から11人となり、永山氏や社長兼CEO(最高経営責任者)の綱川智氏などの信任を諮る。

 株主総会の2週間前に候補者を変更する異例の事態となったのには理由がある。6月10日に、東芝が2020年7月に開いた定時株主総会が公正に行われたのかを調べた外部の弁護士による調査報告書が開示されたからだ。

 報告書では、東芝が「経済産業省商務情報政策局ルートと緊密に連携し、株主であるエフィッシモ(・キャピタル・マネージメント)、3Dインベストメント・パートナーズ、米ハーバード大学基金運用ファンドに対して、不当な影響を与えることにより株主総会にかかる株主の株主提案権や議決権の行使を事実上妨げようと画策した」と認定。「株主総会が公正に運営されたものとはいえない」と結論づけた(東芝株主総会「不公正」問題、見て見ぬふりした監査委員会の罪)。

 20年の総会運営について事前に調査した東芝の監査委員会は「問題ない」と結論づけていた。永山氏は2人の退任理由について、「(社外の弁護士が調べた)今回の報告書で、監査委員会のけん制機能が十分に機能していないとの指摘があった。この点を重く受け止めた」と述べた。

 報告書に名前が挙がった副社長の豊原正恭氏と執行役上席常務の加茂正治氏も退任する。これについて永山氏は、「豊原・加茂の両執行役もステークホルダー(利害関係者)から厳しい声を受けており、職責を果たすのが困難になっている」と話した。14日付で社長付としたうえで、25日に退任する。

 会見で永山氏は前社長兼CEOである車谷暢昭氏についても言及。「4月14日に辞任したがその前から株主と対立関係にあった。現在の状況を招いた遠因になっている。過去のやり取りを含め、車谷氏に責任はある」と指摘した。

新たな取締役を選任する

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り906文字 / 全文1908文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「ガバナンスの今・未来」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。