米ファンドのダルトンにオアシスも加勢
天馬のケースに話を戻そう。監査等委員会のこうした動きに対し、取締役会が20年秋に設置した「指名・報酬委員会」は21年4月、「北野治郎監査等委員らには、司治元名誉会長のリーガルアドバイザーとの不可解な関係性が疑われる」と断じ、現任に代わる新任3人の候補者を推薦した。

司元名誉会長は4つある天馬の創業家の出身で、長らく会社を率いてきた人物だ。20年の株主総会では、ベトナム贈賄疑惑を巡る経営陣の対応を問題視し、同氏に共感する社員を取締役候補としたが、対立する金田氏と共に落選した(関連記事:世代交代が生む創業家発「内紛」 天馬で委任状争奪戦へ)。
天馬では、ベトナムでの贈賄疑惑をきっかけに、常務執行役員の金田氏側の創業家、司氏側の創業家の対立が深まっている。指名・報酬委員会のメンバーは、廣野社長と社外取締役ら3人となっており、監査等委員が司氏側に肩入れしているという取締役会の思いを代弁しているともいえる。
一方で、なぜわざわざ指名・報酬委員会を設立して、監査等委員を批判する「遠回り」が必要なのだろうか。
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