企業のサプライチェーン(供給網)は世界に広がり、他者の人権を侵害するリスクが大きな経営課題になっている。強制労働や児童労働、女性や性的少数者、障害の有無による差別や偏見――。人権問題に真剣に向き合い、課題解決を通じて事業機会を広げようとする動きも出てきた。
■主な連載予定(タイトルや回数は変わる可能性があります)
・現代奴隷の叫びを聞け ミャンマー国境の労働者を取材
・アサヒとロッテが挑戦、アフリカの供給網から児童労働を根絶せよ(今回)
・ソニーが狙う10億人市場 プレステ向け新型コントローラーがまん丸な理由
・誰でもトイレからはじめよう 日の丸交通が挑む人権経営
・世界では人権法制がトレンドに 置いてけぼりの日本
・渋谷のZ世代は人権ネーティブ 広がる“倫理的な就活”
企業は手掛ける商品が多いほど供給網が複雑になる。そこでは、いつの間にか働き手の人権が侵害されているケースが散見される。取引先を含めて、違法労働など人権侵害のリスクがないか把握して予防策を講じる「人権デューデリジェンス」を進め、対処しなければならない。
アサヒグループホールディングス(GHD)は、人権を侵害しかねない供給網の弱点を可視化しようと細かな調査に動く。17カ国にまたがるアサヒGHDの生産拠点と、ビールやお茶などの主要原材料11品目について、卸売りから加工と流通、栽培までの強制労働などのリスクを調べた。すると、エチオピアとタンザニアのコーヒー豆栽培が最もリスクが高いと判明した。だが追跡は行き詰まる。
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