2024年春の後継社長選出に向け、5人の副社長を選んだ日本電産。実は、永守重信会長CEO(最高経営責任者)は既に「次の次」の後継者育成に動き出している。永守イズム体得を後継者選びの鍵とするが、さらに難題も潜む。

■ここまでの連載
(1)日本電産・永守氏の教訓 後継選びの鍵は「イズム体得」

日本電産は後継者を巡り、副社長5人から社長を選ぶ方策を取った(写真:日刊工業新聞/共同通信イメージズ)
日本電産は後継者を巡り、副社長5人から社長を選ぶ方策を取った(写真:日刊工業新聞/共同通信イメージズ)

 2022年11月、京都市南区の日本電産本社10階。永守重信会長CEOが10数人の幹部を前に、話し始めた。

 「今、業績が良くなくて、うちが買収した会社に立て直しのために赴任するとしたら、そこの幹部や従業員たちに最初に何を話すか。君らはどうだ」

 問いかけられたのは、日本電産本体の執行役員やグループ会社の社長たち。実はそこは、28年に選任する「次の次」の同社社長の候補を教育する「永守社長育成塾」の第1回の場だった。永守会長が将来の社長を育てるために、創業以来50年に及ぶ自らの経営者人生で培ったノウハウを伝授しようとしているのである。

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