ハラスメントは、現実的に線引きが曖昧な上、無数に存在する。それ故、あからさまではない「グレーゾーンのハラスメント」が目下増殖している。そんなあなたはハラッサー予備軍。今こそ、無自覚な自分と向き合おう。

■連載予定 ※内容は予告なく変更する可能性もあります
(1)威圧的な説教に公私の拘束も、なぜパワハラはなくならないのか
(2)いつの間にか「パワハラ大国」のニッポン ハラスメント保険に殺到
(3)あなたもパワハラ予備軍かチェック、「グレーゾーン」に気を付けろ(今回)
(4)増殖する「XXハラ」、これがハラスメント大全
(5)ネットフリックスなど先進企業に学ぶ、ハラスメント対策最前線
(6)トヨタ、パナソニックが得た教訓、人権意識向上待ったなし
(7)「表に出るようになったのは救いがある」、スペイン指導者が語る日本サッカー界の現状
(8)「パワハラは上司のエゴだ」、元パワハラ上司が変心できた理由
(9)「パワハラ防止法」が中小に適用拡大も、対策進まぬ現場
(10)パワハラ誕生から20年、名付け親が抱く懸念「救済から排除の言葉に」

(写真:Shutterstock)
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 「『パワハラ? 私がするわけない』と考えている人は、実はしている危険度が高いんです」

 こう語るのは、多くの労働者のパワハラ相談を受けてきた向井蘭弁護士だ。向井氏によると、「部下を『おまえ』と呼ぶ」「自分の机をたたく」「1時間以上説教をする」「相手を泣かせる」といった行動の上司は、パワハラをしている可能性が高いという。

 ハラスメント対策コンサルタントの樋口ユミ氏は、「ハラスメントと感じる範囲は時の流れとともに変わる。10~20年前はOKでも今はNGの例も多い。特に自分が過去厳しい指導を受けた人は部下への指導に注意を払う必要がある」と警鐘を鳴らす。

 法整備などを踏まえ、パワハラへの社会認知度や個人の感受性が高まっており、誰もが意図せず加害者にも被害者にもなり得る。そうした中、職場で暴言・暴力行為をする、あからさまなハラスメント(この章では主にパワハラを指す)は「減っている」(樋口氏)。むしろ、「悪意のないパワハラ」、つまり「グレーゾーンのパワハラ」が増えているのが実情だ。

 もっとも、グレーゾーンのハラスメントは、責任感のある上司がしていることが多いとされ、一概にその行為を否定できない。ただ、無自覚でパワハラをしている可能性があり、事態はより深刻と言える。自分の振る舞いが相手を傷つけていないか、常に気を払う必要があるだろう。

 日経ビジネスは、向井、樋口両氏の協力を得て、独自のハラスメントチェックシートを作成した。国が出しているチェックシートでは分からない、無意識にパワハラをしている可能性の有無が一目瞭然になる。日常の仕事ぶりを振り返りながら、点検してほしい。「はい」の数が5個以上あればパワハラ要注意、15個以上はパワハラをしている可能性が高い。

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