事業承継がうまくいかなかった場合に、従業員の処遇と同時に大きな問題になるのが会社として使っていた土地や建物の生かし方だ。都市部ならば次の入居企業も見つけやすいが、人口減少が進む地方では難しく、放置され廃屋になるところも目立つ。まちづくりに取り組む奄美イノベーション(鹿児島県奄美市)は、離島の奄美大島などで廃業したスーパーやカラオケボックスも生かす新しい地域再生プロジェクトを進め、注目を集めている。

奄美イノベーションは廃業したスーパーを「まーぐん広場」として収益化(撮影:菅 敏一、以下同)
奄美イノベーションは廃業したスーパーを「まーぐん広場」として収益化(撮影:菅 敏一、以下同)

 奄美イノベーションは地元出身の建築家、山下保博氏が2016年に設立した。18年に奄美大島北部にある廃業したスーパーの建物を高齢者施設やホテル、多目的広場などが同居する「まーぐん広場」としてよみがえらせた。

 再生には建築家としての知見を最大限に生かすと同時に、工事に当たっては奄美イノベーションのスタッフを活用し改装費を通常より2~3割安く抑えた。高齢者施設には有料老人ホーム「赤木名の家」や「デイサービスいのべ・赤木名」などがあり、訪問介護サービスの拠点にもなっている。山下氏には高齢者施設の運営経験がなかった。ゼロから立ち上げ、スタッフを鹿児島市の施設へ研修に送るなどしながらノウハウを蓄えた。

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