2021年6月、山口フィナンシャルグループ(FG)のCEOだった吉村猛氏が解任された。新銀行設立を「独断で進めた」とする取締役側に、「CEOの権限だ」と反論する吉村氏。日経ビジネスが入手した内部文書から、解任当日の取締役会のやり取りを詳報する。

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2021年6月25日の株主総会後の取締役会で、代表取締役会長兼CEOを事実上解任された吉村猛氏(左)。椋梨敬介取締役が、代表取締役社長兼CEOに選任された(写真:背景=PIXTA、椋梨氏=共同通信)
2021年6月25日の株主総会後の取締役会で、代表取締役会長兼CEOを事実上解任された吉村猛氏(左)。椋梨敬介取締役が、代表取締役社長兼CEOに選任された(写真:背景=PIXTA、椋梨氏=共同通信)

 「定款第24条第2項及び取締役会規則第8条により、とりあえず議長を務めます」

 2021年6月25日午後。山口フィナンシャルグループ(FG)の吉村猛・取締役(当時)がこう宣言し、臨時取締役会が始まった。社内3人、社外7人の全10人が顔をそろえた。

吉村氏:欠席者はございません。それでは、代表取締役、取締役会長、取締役社長選定の件を上程いたします。

A社外取締役:お二人だけなので、一括審議ではなく、お一人ずつやってはどうか。

吉村氏:では、代表取締役、取締役会長の件を上程いたします。議長としては、代表取締役には私吉村猛が就任させていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。ご承認いただける方は挙手をお願いします……。反対ということでよろしいでしょうか……。分かりました。

 それでは代表取締役、取締役社長に椋梨敬介氏にご就任いただきたいと考えますが、いかがでしょうか……。はい、全員賛成でございます。それでは椋梨氏の代表取締役社長が決議されましたので、議長を交代します。

椋梨氏:それでは、私が代表取締役社長としてご承認を頂きました。ありがとうございました。

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決議項目を40項目付議

 16年に代表取締役に就任した吉村氏の再任はこの日の会議冒頭、あっけなく否決された。その後、取締役会規則及び決裁権限基準の見直し検討開始について議論された。A社外取が「今日の会議に決議項目が40項目も出ている。誰の判断か?」と投げかけると、吉村氏が説明した。

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