4月4日に実施される東京証券取引所の市場再編。各企業による「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場への上場先が1月に出そろった。

 そんな中、栄養ドリンク剤「リポビタンD」を製造する大正製薬を傘下に持つ大正製薬ホールディングス(HD)が、世界的に活躍する企業が集うプライムではなく、国内事業を行う企業主体のスタンダードへの上場を選択したことに注目が集まっている。

 大正製薬HDは現在、東証1部に上場しており、プライム、スタンダード共に上場基準を満たしていた。海外にも拠点を持ち、年間売上高2800億円を誇る同社の決断は、スタンダード市場へ投資資金が流入する呼び水となるかもしれない。

東証1部の大正製薬ホールディングスは、プライムへの対応にかかる労力などを考慮し、スタンダード上場を選んだ(写真:アフロ)
東証1部の大正製薬ホールディングスは、プライムへの対応にかかる労力などを考慮し、スタンダード上場を選んだ(写真:アフロ)

「重要でないこと多い」

 「東証が示すプライム上場企業に求める対応について、我々が今まで重要だと考えていないことが多く含まれていた」。2月1日に開かれた2021年4~12月期決算説明会で、大正製薬の上原茂社長は「東証を悪く言うつもりはない」とした上で、こう語った。

 大正製薬にとって「重要ではない」こととは何を指すのか。

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