アマゾンで展開される超高額の日用品・雑貨の取引に、当局が関心を寄せている。市場価値を無視した、桁違いの価格を設定する意図は何か。消費者の誤認を誘う意図的な商売である疑惑に加えて懸念される問題がある。海外取引を装ったマネーロンダリング(資金洗浄)だ。経済産業省もマネロンが行われていることを懸念しており、複数省庁で連携しつつ実態解明に乗り出すことを検討しているもようだ。

 幅41cm、高さ36cmのワイングラスラックが39万4693円。丸みを帯びたクマ型のティッシュボックスは28万4062円。ハンガーが10本で19万2549円。いずれも木製で、デザインや加工はシンプルだ。

 アマゾンのマーケットプレイスで最近、上記のような相場に見合わない高額な日用品や雑貨が散見されるようになった。商品自体の価格は安く抑えながら、送料を99万9999円に設定しているパターンもある。

 商品ページを見ると、同じ単語が不自然に何度も繰り返されているケースが目立つ。また説明の文面も、「自然な鉱物を保持するための選択された原料」といったように、いかにもたどたどしい日本語だ。とても日本語話者のチェックを受けているとは思えず、オンライン翻訳で出てきた文章をそのまま貼り付けたかのようだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1263文字 / 全文1802文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「ガバナンスの今・未来」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。