ひところの勢いを失った企業を蘇(よみがえ)らせた経営者たちには、どのような共通点があるのか。連載を締めくくる今回は、中興の祖として名を残す人物の条件を、著名経営学者3人に聞いた。

「前任者を否定せよ」 一橋大学ビジネススクール・楠木教授

<span class="fontBold">楠木建(くすのき・けん)氏<br>一橋大学ビジネススクール教授</span><br>1989年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。一橋大大学院国際企業戦略研究科准教授などを経て2010年から現職(写真:柚木裕司)
楠木建(くすのき・けん)氏
一橋大学ビジネススクール教授

1989年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。一橋大大学院国際企業戦略研究科准教授などを経て2010年から現職(写真:柚木裕司)

中興の祖として名を残すには、どのような素養が経営者に求められますか。

楠木建氏(以下、楠木氏):日本経済が順調に拡大していた1980年代までであれば、経営者は市場の成長に合わせて業績を伸ばせました。成長市場に群がるこのような企業を私は「オポチュニティー(好機)企業」と呼んでいます。オポチュニティー企業は現在も新興国で多く見られます。しかし日本の経済はすでに成熟期を迎えています。外部環境に頼るオポチュニティー企業は通用しません。

 日本企業の経営者は勝負する市場を決め、必要であればそれに合わせて前任者から受け継いだ事業ポートフォリオを入れ替えなければなりません。前任者の路線を否定でき、リスクを取って新たな戦略ストーリーを描ける経営者が、名経営者として名を残す可能性があります。

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