「失われた30年」と呼ばれた低迷の時代にあっても、中興を成し遂げた個性豊かな改革者たち。トップ10に名を連ねた経営者のうち4人を取り上げた連載2回目に続き、今回は11~20位にランクインした中から4人を紹介する。11位につけたのは武田薬品工業の武田国男氏。入社以来、傍流を歩んだ「部屋住みの三男坊」だが、経営を引き継ぐや、苛烈な改革を断行した。

 創業家の三男坊で、入社以来、一貫して窓際族。やる気を失いかけていたところから一転、「鬼」と呼ばれるほどの大改革を成し遂げたのが、武田薬品工業の武田国男氏だ。1993年から2009年までトップを務め、非薬品事業の売却や不採算工場の閉鎖、グローバル化などの選択と集中に大なたを振るった。

武田薬品工業の武田国男氏(写真:東洋経済/アフロ)
武田薬品工業の武田国男氏(写真:東洋経済/アフロ)

 長兄の彰郎氏が急逝し、急きょ社長候補となった国男氏。それまで主流の医薬品事業からは遠ざけられ、食品事業など傍流での経験しかなかったが、力試しに送られた米国で成果を残し、バトンを引き継いだ。

 「周りは『ゴマのすり兵衛』ばかり。全部飛ばしました」(国男氏)と語ったように、上司に取り入り社内政治に執心するような古い風土は切り捨てた。徹底的に追求したのは、海外勢と戦うための収益力だった。

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