「失われた30年」を物ともせず、企業に活力と成長を取り戻した「中興の祖」は誰なのか。連載第1回では、経営トップの在任期間ランキングを紹介した。今回は株式時価総額の伸びを得点化した「成績」の上位25人のリストを掲載するとともに、トップ10に名を連ねた経営者の中から4人にフォーカスする。首位となったのは、信越化学工業の社長を約20年にわたって務めた金川千尋氏だ。
日本経済新聞社の経済データサービス「日経NEEDS」のデータを基に、日本経済の低迷を打破し、企業の成長を成し遂げた経営者のランキングを作成した。成績表としたのは在任期間中の時価総額の伸びだ。
市場からの評価にはなるものの、業績だけでなく成長戦略などの仕込みも織り込まれる。2013年のアベノミクス相場以降は有利に働くため、単純な伸び率ではなく、在任期間中の日経平均株価の動きと照らし合わせて、それをどれだけ上回ったかを得点化して、順位付けした。
対象は2021年11月26日時点の株式時価総額上位100社で、1990年1月1日以降に社長もしくはCEO(最高経営責任者)に就任し、すでにそのポストを退いている人物。90年より前から経営トップを務めていたアサヒビール(現アサヒグループホールディングス)の樋口廣太郎氏らは含めていない。

ランキング首位は、信越化学工業の金川千尋氏。トップダウン方式で同社を日本有数の高収益企業へと飛躍させた経営者として知られる。300人強の経営者の中でトップに立った今回のランキング結果を目にして、経営史学の大家である国際大学の橘川武郎副学長は「納得のいく結果。中興の祖と呼んで間違いない」と太鼓判を押す。
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